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中高年が歯を失う原因No.1の歯周病 歯磨きだけでは防止困難

「永久歯」といっても、この人生80年時代に、死ぬまで歯が生えそろっていてくれるわけではない。年を重ねるごとに歯を失い、咀嚼に支障をきたすようになれば、食事もままならなくなってしまう。一生「噛める」喜びを味わうには、シニア世代が行なう手入れは不可欠だ。歯の悩みを解消する最新医療技術を紹介する。

 シニア世代の歯の悩みの筆頭にあげられるのが歯周病だ。歯の生活習慣病といわれ、40~50代で急増し、50代の83%、60代の85%以上が歯周病と推定されている(平成23年厚労省歯科疾患実態調査)。同調査によると50代での喪失歯は約4本だが、60代では約7本、70代では約11本と、10年ごとに3~4本ずつ歯を失っていくことがわかる。

「この世代が歯を失う原因のほとんどは歯周病です。細菌や微生物の感染により歯の周囲の組織が炎症を起こし、放置すると最終的には歯が抜け落ちてしまいます」

 こう話すのは、国際歯周内科学研究会創設者である生田図南・生田歯科医院院長だ。

 歯周病の原因は、歯にこびり着いた歯垢(プラーク)に棲息する歯周病菌だ。虫歯の主な原因となるミュータンス菌とは種類が異なる。

 感染を放置すると、歯肉(歯茎)に炎症が起きて腫れや痛み、出血が起きる。やがては、歯肉の炎症だけでなく歯を支える歯槽骨にまで影響が及んで骨が溶け、歯を失うことになる。

「歯周病治療の基本は、原因菌を除去し、炎症を止めることです。歯周病菌に感染すると、毎日のブラッシングだけでは、なかなか除菌できません。喫煙、糖尿病、噛み合わせなど色々な要素が複雑に絡み合います。歯科医院での検査や適切な治療が必要です」(生田氏)

※週刊ポスト2013年1月25日号

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