ライフ

婚活女性記者 55才になってやっと適齢期を迎えたと実感する

 55才にして婚活を始めた女性セブンの名物記者・オバ記者。59才男子を家デートに誘ったもののドタキャンされてしまったのが昨年末。しかし、その後、積極的に婚活中という。以下は、オバ記者による“婚活ノート”だ。

 * * *
 今、家デートは敷居が高すぎると悟ったが、しかし男子に会わないと話にならない。

 年明け早々、鉄道仲間の新年会に出席した。魚の焼く匂いが充満している“おっさん居酒屋”で幹事Fさんが「こっちこっち~」と手を振った。

「婚活相手、いろいろ用意しといたからさ。とにあえずB君とS君の間にすわって」

 30代後半とおぼしき顔見知りのふたりだ。気楽に足を踏み出そうとした瞬間、40才前半・独身で“ロリコン”の幹事Fさんが悪意のひとかけらもない顔で「ふたりとも童貞だよ」とのたまった。

 満座の中で「童貞」と決めつけられたふたりはテレくさそうに笑っていたけど、私はその席に座れなかった。

 飲み会が終了後、幹事Fさんから「ついでにA君の筆下ろしもいかがですか?」とメールがきた。

 が、それにしてもわからないのが童貞男子と私の婚活の因果関係だ。

“童貞”といえば、私が喜んで飛びかかるとでも思っているのか。万が一、私が飛びかかったら童貞くんはウッキーッと頭に血が上って、求婚するかもしれないからそれを狙えということ?

 幹事Fさんがそう言ったワケではない。ただの軽口なのはわかっているのにひどく堪えた。孫がいるようなこのトシで、ツレアイ探しにミジメさはつきものなのだろうか。

 それでも結婚したいかと手を我が胸にあてて聞く。

「…したい」

 ひと晩ぐっすり寝たら気分がコロッと変わったのだ。

「ラクに息ができる男性と、時間を積みかさねたい。そういう相手を探したいんだよね」

 小娘編集嬢Aに言いながら、私は生まれて初めて“婚活”に取り組んでいることに驚いた。若いころは恋愛して結婚したい。そうすべきだという思い込みはあったものの、実際は恋愛という名の勘違いに浮かれ踊って、最後は「話が違う」とののしり合い。

 たまたま一度だけ結婚に結びついたこともあったけど、離婚後はハクをつけたような気分になって恋愛評論家気取りだった。“イチロー、今日は打てねえのかよ”って言ってるおっさんと一緒。男友達から“ご隠居さん”と言われたこともある。

 それがプレーヤーとしてバッターボックスに立ったらどうだろう。心細いなんてもんじゃない。他人のひとこと、風の音にも胸が震える。

 実はその感じが、悪くないのよ。毎日、今までやらなかったことにひとつひとつ、挑戦しているのが。55才になった今、私はやっと結婚適齢期を迎えた気がする。

※女性セブン2013年2月7日号

関連記事

トピックス

夜の街にも”台湾有事発言”の煽りが...?(時事通信フォト)
《“訪日控え”で夜の街も大ピンチ?》上野の高級チャイナパブに波及する高市発言の影響「ボトルは『山崎』、20万〜30万円の会計はざら」「お金持ち中国人は余裕があって安心」
NEWSポストセブン
東京デフリンピックの水泳競技を観戦された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年11月25日、撮影/JMPA)
《手話で応援も》天皇ご一家の観戦コーデ 雅子さまはワインレッド、愛子さまはペールピンク 定番カラーでも統一感がある理由
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《ドッグフードビジネスを展開していた》大谷翔平のファミリー財団に“協力するはずだった人物”…真美子さんとも仲良く観戦の過去、現在は“動向がわからない”
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
悠仁さま(2025年11月日、写真/JMPA)
《初めての離島でのご公務》悠仁さま、デフリンピック観戦で紀子さまと伊豆大島へ 「大丈夫!勝つ!」とオリエンテーリングの選手を手話で応援 
女性セブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン