国内

飼い主の孤独死、認知症… 高齢化社会が抱えるペット問題

 最新の調査によると、わが国の総世帯数は4668万4000世帯。そのうち65才以上のひとり暮らし世帯数は469万7000世帯で、ここ数年おしなべて増えている。また平成23年度犬・猫飼育実態調査によれば、犬・猫の飼育率は50才代が最も高く、次いで60才代となっている。

 つまり、“おひとりさま”でペットを飼っている高齢者が急増しているとみられるのだ。そしてそうした状況が問題を生じさせてもいる。孤独死した飼い主のそばで衰弱死寸前の姿で発見された犬。認知症の飼い主が、愛猫の病気に気づかず、とうとう死に至らせてしまったケース…。東京都家庭動物愛護協会会長で、須田動物病院の須田沖夫院長はこう説明する。

「全国の保健所に持ち込まれるペットの殺処分は以前より急激に減ったものの、依然年間約20万匹にものぼります。犬の問題行動や病気、転居が主な理由です。しかし最近では、核家族化が進み、ひとり暮らしの高齢者や高齢者夫婦が、長期入院となり飼えなくなったとか、飼い主が亡くなって、もらい手が見つからなかったという理由で犬や猫が保健所に持ち込まれるケースが増えています」

 問題の背景には、ペットの寿命が延びていることも影響している。

「例えば、犬の平均寿命は、30年前は4才でした。もちろん長生きする犬もいましたが、それよりも若いうちに感染症や栄養不良、事故により亡くなるケースが多く、平均すると4才程度になっていたんです。ところが現在では13~14才。今は獣医療も進み、平均寿命は確実に延びています」(前出・須田院長)

※女性セブン2013年2月28日号

あわせて読みたい

関連記事

トピックス

長男・泰介君の誕生日祝い
妻と子供3人を失った警察官・大間圭介さん「『純烈』さんに憧れて…」始めたギター弾き語り「後悔のないように生きたい」考え始めた家族の三回忌【能登半島地震から2年】
NEWSポストセブン
古谷敏氏(左)と藤岡弘、氏による二大ヒーロー夢の初対談
【二大ヒーロー夢の初対談】60周年ウルトラマン&55周年仮面ライダー、古谷敏と藤岡弘、が明かす秘話 「それぞれの生みの親が僕たちへ語りかけてくれた言葉が、ここまで導いてくれた」
週刊ポスト
小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン