ライフ

大腸がん患者94人中8人完治 “済陽式食事療法”8の原則

 現代医学におけるがん治療の3本柱は、手術・抗がん剤・放射線治療である。しかし、末期がんともなれば治癒率は低く、再発のリスクもある。そんななか、末期がん患者の治癒改善率がなんと64%、根治術後、食事療法を行なった人の再発率はわずか8%という驚くべき実績を挙げているのが「済陽(わたよう)式食事療法」である。2012年には、大腸がん94の症例のうち、8件が完全治癒、54件が改善したとの実績もある。西台クリニック院長の済陽高穂氏に、がん体質の改善法を訊いた。

 済陽式食事療法が生まれたきっかけは、挫折だった。

「10年ほど前、都立病院で1994年から2002年までに行なった消化器がんの手術1406例の術後成績を調べると、5年生存率は52%。実に48%の患者さんが5年も経ずに亡くなられていた。手術という身体に大変な負担を強いる治療を受けても、その半分しか助からないという現実に愕然とし、無力感に打ちのめされました」(済陽氏・以下「」内同)

 一方その頃、済陽氏は「奇跡の患者」に出会う。末期の肝臓がんで余命3か月と宣告されたその人は、自宅療養していた1年半でがんの病変が消えていたのだ。

「驚いてその患者さんに尋ねると、奥さんが毎朝、野菜ジュースを作り、昼も夜も5種類以上の野菜、果物を食べさせ、白米を玄米にし、1日1回はキノコ、根コンブ、ハチミツ、納豆を食べさせてくれたというんです」

 他にも、食事の工夫で晩期がんが根治した数人がいたことから、済陽氏は食事療法の研究に打ち込み、済陽式食事療法を編み出すに至ったのである。

 がんを引き起こす要因として、済陽氏がこれまでの研究や臨床経験から注目したのが、【1】塩分過剰、【2】エネルギーを産出するクエン酸回路の障害、【3】血液中の活性酸素の過剰、【4】動物性タンパク・脂肪の代謝障害の4つである。

「がんは誰もがなる生活習慣病で、その原因の80%は食事にあるのです。4つの要因を防ぐための食事は、すでにがんができている体や、再発の危険性が高い体に有効であると共に、がん予防にも効果的なのです」

 以下、済陽式食事療法の「8つの原則」だ。

●塩分を限りなく少なく
●動物性タンパクと脂肪の摂取を止める
●新鮮な野菜と果物を大量に摂る
●玄米・豆類・芋類を摂る
●乳酸菌と海藻、キノコ
●ハチミツとレモンは必須
●油はエゴマ、オリーブオイルを
●自然水を飲む

 日本人の3人に1人ががんで亡くなっている時代。一日でも早く食生活を変えるべきである。

※週刊ポスト2013年3月1日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

長男・泰介君の誕生日祝い
妻と子供3人を失った警察官・大間圭介さん「『純烈』さんに憧れて…」始めたギター弾き語り「後悔のないように生きたい」考え始めた家族の三回忌【能登半島地震から2年】
NEWSポストセブン
古谷敏氏(左)と藤岡弘、氏による二大ヒーロー夢の初対談
【二大ヒーロー夢の初対談】60周年ウルトラマン&55周年仮面ライダー、古谷敏と藤岡弘、が明かす秘話 「それぞれの生みの親が僕たちへ語りかけてくれた言葉が、ここまで導いてくれた」
週刊ポスト
小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン