ライフ

臨済宗住職 自分らしい葬儀して無駄な出費抑える方法を解説

 ベストセラー『がんばらない』の著者で諏訪中央病院名誉院長の鎌田實氏は、チェルノブイリの子供たちへの医療支援などに取り組むとともに、震災後は被災地をサポートする活動を行っている。その鎌田氏が、団塊世代の生き方について語る。

 * * *
 団塊の世代は700万人いるといわれている。これからは困難な老後が待っている。そして大量死の時代がやってくる。僕は64歳。団塊世代の真っただ中にいる。 このごろ、親を見送った友人たちから、葬式の理不尽さを何度も耳にするようになった。戒名料は「院」がつくだけで、100万円も取られたとか、主にお金の話が多い。

 僕の親友に住職がいる。長野県松本市にある神宮寺という臨済宗の寺の高橋卓志さんだ。彼はユニークで「神宮寺は何宗ですか」と尋ねられると「皆の衆です」と答える。どんな宗派でも、誰が来てもいいのだという。
 
 僕は何度か彼の執り行なう葬式に立ち会ったことがある。関西から来た胃がん末期の女性が亡くなったときは、「神宮寺にお願いしたい」という生前の約束通り、葬式をやってもらった。女性は亡くなる10日前に神宮寺を訪ねて高橋住職と話し合い、葬式の仕方を決めていた。
 
 彼女は不思議と、葬儀を決めてから明るくなった。自分が亡くなった後、どのようになるかがはっきりしたから、なのかもしれない。彼女の望みは、友人の歌手、手仕事屋きち兵衛さんのCD曲を葬儀で流してほしいということだった。
 
 その際、住職が粋な計らいをした。きち兵衛さん本人が葬列に参加して献歌、というサプライズがあり、実に感動的な葬儀になった。

 神宮寺のようなお寺が周囲にない人はどうすればいいのか。自分らしいお別れにこだわりながらも、無駄な出費をしないですむ方法はあるのか。僕は住職に尋ねた。

「縁起でもないという人もいるけれど、葬儀社や寺と葬式の仕方は概ね決めておいたほうがいい。自分で無駄だと思うこと、いらないと思うことをいっておく。ここにはこだわりたいということも伝えておくといい」

 夫婦で葬儀社と一回話しておくだけでだいぶ違うし、温かなお別れができるという。

「葬儀社のいいなりで、決められたコースで弔うのではなく、派手でも質素でもいいから、自分の色を示しておくことが大事です」

※週刊ポスト2013年3月22日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

晩餐会での“少女漫画のようなエスコート”動画が話題に(提供:soya0801_mlb)
《独占入手》妻・真美子さんの手を優しく取って…大谷翔平、晩餐会での“少女漫画のようなエスコート”動画が話題に ファンに伝えた「ありがとう」
NEWSポストセブン
若い女性たちとエプスタイン(民主党資料より)
「ひとりで楽しみ、体に触り、無理やり行為に及んだ」10代の少女らが性的搾取された“エプスタイン事件” 米司法省が新たに公開、画像や動画…300万枚の資料が示す“被害の詳細”
NEWSポストセブン
高市人気で議席増を狙う自民だが…(時事通信フォト)
《自民維新で300議席》衆院選の情勢調査報道は投票に影響を与えるのか 自民が高市支持でこのまま大勝?心理士が分析
NEWSポストセブン
CanCam卒の注目女優宮本茉由
《CanCamモデルを卒業》不倫ドラマ主演でも話題・宮本茉由、長野県・北アルプスの麓で見せた「止まらない色気」
週刊ポスト
レーシングドライバー角田裕毅選手
【大谷翔平より高い知名度】レーサー角田裕毅(25)が筋骨隆々の肉体美を披露「神が認めた男」のパーソナルブックに堂本光一らのコラムも  
NEWSポストセブン
ラオジーのブログより(現在は削除済み)
《昨夜の子は何歳だったんだ…との投稿も》「ラオスの帝王ラオジー」ブログの不正開設の疑いで61歳の男が逮捕 専門家が明かしたラオス児童買春のいま
NEWSポストセブン
東京21区〜30区は中道が優勢な選挙区も(時事通信フォト)
【2・8総選挙「東京21〜30区」は波乱の展開】前回無所属で議席を守った旧安倍派大幹部は「東京最多の公明党票」に苦戦か 中道がややリードの選挙区も
NEWSポストセブン
司法省がアンドリュー元王子の写真を公開した(写真/Getty Images)
《白シャツ女性に覆いかぶさるように…》エプスタイン・ファイルで新公開されたアンドリュー元王子とみられる人物の“近すぎる距離感の写真” 女性の体を触るカットも
NEWSポストセブン
全米野球記者協会ニューヨーク支部主催のアワードディナーに出席した大谷翔平と、妻・真美子さん(左/時事通信フォト、右/提供:soya0801_mlb)
《真美子さんが座る椅子の背もたれに腕を回し…》大谷翔平が信頼して妻を託す“日系通訳”の素性 “VIPルーム観戦にも同席”“距離が近い”
NEWSポストセブン
なぜ実の姉を自宅で監禁できたのか──
《“お前の足を切って渡すから足を出せ”50代姉を監禁・暴行》「インターホンを押しても出ない」「高級外車が2台」市川陽崇・奈美容疑者夫妻 “恐怖の二世帯住宅”への近隣証言
NEWSポストセブン
東京拘置所(時事通信フォト)
〈今年も一年、生きのびることができました〉前橋スナック銃乱射・小日向将人死刑囚が見せていた最後の姿「顔が腫れぼったく、精神も肉体もボロボロ」《死刑確定後16年で獄中死》
NEWSポストセブン
国際ジャーナリスト・落合信彦氏
国際ジャーナリスト・落合信彦氏が予見していた「アメリカが世界の警察官をやめる」「プーチン大統領暴走」の時代 世界の“悪夢”をここまで見通していた
NEWSポストセブン