国内

活断層の定義変化 国は40万年前以降に引き上げる方針も検討

 なぜまた淡路島で? そう思った人も多いのではないか。4月13日午前5時半頃、兵庫県淡路島を震源とするM6.3、最大震度6弱の地震が発生。県内の建物被害は2886戸に及んだ。

 翌日、政府の地震調査委員会は「これまでに存在が知られていない断層が引き起こした」との見解を発表。今回の震源は、1995年の阪神大震災で動いた活断層の南側にあり、淡路島の中央部を南北に走る長さ約10キロの断層だと推測した。

 活断層の研究が進んでいたはずの地域でも見つかっていなかった「未知の活断層」が、ある日突然、大きな地震を引き起こす。

 今回の地震は、いつ、どこで大地震に見舞われても不思議ではないことを示すものだといえよう。 現時点で、日本全国で確認されている活断層は5000本以上。だが、それも氷山の一角でしかない。

 そもそも活断層とは、この数十万年のうちに繰り返し地震を起こし、近い将来に再び活動すると考えられる断層を指す。地震調査研究推進本部では、長さが20キロ以上あり、都市部に近い110か所を「主要活断層」として調査してきた。断層の長さが長いほど引き起こす地震の規模も大きくなるとされ、長さ20キロ以上ではM7クラス以上の地震が想定されるからだ。

 だが、東日本大震災以降、新たな研究が進み、活断層の定義自体が変わりつつある。

「これまでは“2万年前以降”に活動していたものを活断層としてきたが、それが“12万年前以降”に定義が変わった。長い間動いていない断層でも、再び活動する可能性があると見なすということで、国はさらに40万年前以降に引き上げる方針も検討している。

 こうなると活断層かどうかという判定が非常に難しくなる。活断層研究はまさにこれからという段階だ」(地理学が専門の立命館大学・高橋学教授)

※週刊ポスト2013年5月3・10日号

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