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勝谷誠彦「家族が大事」のプロパガンダが「犯罪一家」を産む

 時とともに変わってくる“女の事件”。1970年代早々に起きた、女性が絡んだショッキングな事件といえば、連合赤軍による『連合赤軍リンチ殺人』(1971~1972年)だろう。コラムニストの勝谷誠彦さんはこう分析する。

「その当時の女性犯罪には左翼の政治的な事件も多かったんです。左翼というのは男っぽい集団のイメージがありますが、実は男がとても幼児的。実質支配していたのは女性だったといっていいでしょう」

 さらに、勝谷さんは続ける。

「元日本赤軍が起こした数々の国際テロの陰には重信房子がいたし、連合赤軍の女性同志に対する冷酷さを見る限り、同性である永田洋子が中心だったのは明らか。“総括”という名のリンチの理由にもなった、恋愛禁止だとかおしゃれは風紀を乱すなんて、男の発想じゃないですよね。

 森恒夫と永田洋子の独裁による犯行といわれたけれど、永田が脳腫瘍を患いながら獄死するまで再審請求を続けたのに対し、森は初公判の前に罪の重さに耐えかね、逮捕されて1年も経たずに独房で自殺した。男の弱さの表れです」(勝谷さん)

 1990年代以降で興味深いのは、事件がひとつ露見すると似たような事件が一気に噴き出してくる点。

「監禁連続殺人も、婚活連続不審死も、なぜか重なる時期に起きている。また、これらは女性の人脈というのが犯罪のキーワードではないかと思うんです。加害者が女性だから、あるいは女性が安心させる役割を果たしているから、被害者は安心してしまう。そういう落とし穴が見えます」(勝谷さん)

 2000年代に入ると目につくのが、ネットを介して犯罪が生まれていることだ。

「ぼくはネット出会い系殺人とでも呼びたいけれど、女がネットで男と出会い、売春や詐欺、ひいては殺人にまで行き着く。地方では特に顕著ですが、人間関係過疎なんですよ。個で、あるいは家族単位で孤立して、犯罪にかかわってしまう。

 実は家庭内というのも現代の犯罪のカギで、いまは家族第一、絆を壊さないためにといって、結局、身内で事件が起きる。本末転倒なんだけど、朝日新聞とかがあまりに“家族は大事”とプロパガンダするからこうなるんじゃないですか。家族を軸にした事件は、非常に21世紀的ですね」(勝谷さん)

※女性セブン2013年5月23日号

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