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2013.05.31 07:00  週刊ポスト

HTLV-1ウイルス 全国に感染約108万人だが自覚ない人も多い

 HTLV-1(成人T細胞白血病ウイルス)というウイルスは縄文時代以前から日本に存在し、九州・沖縄地方を中心に生き延びてきた。ところが近年、首都圏や近畿など都市部で感染者が増え、全国に約108万人の感染者(キャリア)がいる。先進国でのキャリア数は日本が圧倒的に多く、60~70%が母乳を介した母子感染であり、性行為などでも感染する。

 ウイルスは血液中のT細胞と呼ばれる白血球に感染し、普段は眠っているが、何らかのきっかけで活発に活動し、成人T細胞白血病(ATL)や神経難病のHAMを発症する。白血病の中でもATLは予後が悪く、発症後1年以内の死亡率が高い。

 聖マリアンナ医科大学難病治療研究センター・HAM専門外来の山野嘉久准教授の話。

「HAMはHTLV-1キャリアの約0.3%に発症する神経の難病です。脊髄に慢性の炎症が起こり、脊髄細胞が徐々に壊れるため両足のマヒやしびれ、歩行困難などの運動障害や排尿・排便障害などが起こります。またHAMの患者が白血病を発症することもあります。HTLV-1に感染していても症状が全くないため、キャリアであることを自覚していない人も多く、HAMと診断されるまでに時間がかかることも多いのが現状です」

 HAMの初期症状は両足がつっぱり足に力が入らない、足のしびれ、足がもつれる、転びやすいなど運動障害が多く、また頻尿や便秘などの排尿・排便障害がでるため、整形外科や泌尿器科を受診する患者も多く、原因がわからず神経内科に紹介されてようやく診断がつくこともある。

■取材・構成/岩城レイ子

※週刊ポスト2013年6月7日号

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