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サッカー日本代表 惨敗したドイツW杯と似た状況との指摘

 コンフェデレーションズカップに臨んだサッカー日本代表は、ブラジル、イタリア、メキシコに相次いで敗北。来年に迫ったW杯本大会を前に、大きな不安を残す結果となった。

 元日本代表MFで、NHKでコンフェデ杯の解説を行なった藤田俊哉氏は、「新戦力を試す気配がなく、このままでは今後1年の上積みは期待できない」と危惧している。

 現に今の代表は、「本田圭佑の有無」でまったく異なるチームとなる。W杯予選終了時点でザック・ジャパンの敗戦は5回。そのうち4回が本田不在だった。すでに「本田1人欠けただけで勝てない」チームなのだ。

 だが、ザッケローニは頑なに布陣を変えない。

「象徴的だったのがイラク戦(6月11日)。W杯出場権を獲得した後のいわば“消化試合”で、控えを試せる絶好のチャンスだった。

 出場機会に飢えていた乾貴士などは、試合前、“先発を掴むチャンスだ”と意気込んでいましたが、ザックは故障を抱えていた本田や吉田麻也を外したくらい。控え組の落胆ぶりは明らかでした」(サッカー専門誌記者)

 監督がチーム内に“序列”を作り出すことは、精神面でも悪影響を及ぼす。

「ドイツW杯のジーコ・ジャパンと非常によく似た状況です。中田英寿、中村俊輔ら欧州組を中心にしたチームは史上最強といわれ、期待値も高かった。しかしジーコがメンバーを固定した結果、無惨な結果に終わりました。

 理由は、半ばポジションを確約されたことで、チーム全体の緊張感がなくなったこと。“どうせ出られない”という思いからか、選手が移動のバスの中で携帯ゲームに興じていたくらいですからね。

 一方、南アフリカW杯で成功した岡田ジャパンも、当初はメンバーが固定されていました。しかしこちらは大会直前、中村俊や樽崎正剛らに代わり、本田や川島永嗣を起用。彼らがブレークして結果を残した。メンバー固定がチームに悪影響を及ぼすことは、歴史が証明しています」(同前)

 日本代表は、また「ドイツの悪夢」を繰り返そうとしているのだろうか。

※週刊ポスト2013年7月5日号

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