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東京マラソン 預かった数万個の手荷物をゴールですぐ返す技

 東京都心部で市民が参加できる国際マラソン大会をという願いから始まった「東京マラソン」。回をおうごとに人気を集め、2013年の第7回大会の一般参加は10倍以上の抽選となった。東京マラソンにはいくつかの謎があるが、何万人もの参加者がバラバラの時間にゴールするにも関わらず、預けた手荷物が速やかに返却されるのもそのひとつ。作家の山藤章一郎氏が、その謎に迫った。

 * * *
 東京マラソンに出場するランナーはスタート30分前の8時半までに着替えた衣服や靴、荷物を預けなければならない。

 荷物はシールを照合し、ランナーのナンバーカードが見えやすくした預け袋に入れられる。壊れ物、貴重品はないか。慎重に取り扱われる。このほぼ1000袋がトラック1台に積み込まれる。全部で3万6000袋。順次すぐにトラックは荷を預かった都庁前からゴールの有明・東京ビッグサイト・フィニッシュ地点に向けて出発する。高速で20分。

 東京ビッグサイトの大会運営スペースの隣りのホールが50ブロックに分けられている。トラックはそのブロックまで入り、ボランティアが開いた荷台から一斉に降ろした預け袋をナンバーカード順に並べる。

 すぐに、ナンバーばらばらのランナーがゴールしてくる。このゼッケンナンバーを目にした瞬間、ボランティアは各ブロックに預けた袋を走って取りに行き、手渡す。

 スタート地点で預かり、ゴールで、瞬時に精確に返す。世界で絶賛される日本人の究極のワザである。

※週刊ポスト2013年8月2日号

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