芸能

半沢直樹の好調要因「知名度頼りでない役者起用」とドラマ通

 作家・池井戸潤氏がメガバンクの裏側をリアルに描いた作品が原作の硬派ドラマ『半沢直樹』(TBS系)が好調だ。第2話では視聴率21.8%と、支持を拡大しつつあるこのドラマは、「やられたらやり返す」「倍返しだ!」といった主人公・半沢(堺雅人)のスカッとする決め台詞が魅力だが、堺雅人をはじめとしたキャスティングも、このドラマの成功の大きな要因であることは間違いない。TVコラムニストの桧山珠美さんが絶賛する。

「堺雅人が主役で本当に良かった。前回、フジテレビで主演した『リーガル・ハイ』でも彼の“化けられる演技”に対する評価は高かったが、今回も本当に半沢直樹になりきっている。何の役をやっても同じにしか見えない俳優もいるなかで、ごく普通の感じの堺雅人が、ドラマではガツンと変貌する。その演技に視聴者も圧倒されるのだと思う」

 また、登場頻度は多くないが、頭取役に北大路欣也を配してドラマ全体に重厚感を出し、その後釜を狙う常務を演じる香川照之も、渋い演技を見せている。

「北大路さんは、極論をいえば、その場にいていただけるだけで存在感がある。これほど風格のある役者さんは他にはいません。現場にフラッと入ってきただけで、雰囲気がピリッと変わるのがわかります。たぶん、本物の頭取っていうのはそういう人なんだろうと。香川さんも、半沢の敵なのか味方なのかわからないという難しい役をうまく演じていただいていると思います」(同番組プロデューサー・伊與田英徳氏)

 さらに前出の桧山氏は、最近のドラマにありがちな、知名度・露出度だけを頼りに役者を起用する方法をとらなかったことが、プラスに働いていると分析する。

「例えば国税局の統括官・黒崎役の片岡愛之助は、歌舞伎では有名でもテレビドラマで見かけることは少ないですし、半沢の同期・近藤役の滝藤賢一も“顔は見覚えがあるんだけど名前が出てこない”という人が多そうな役者さん。変な人気取りに走らず、きっちり演技のできる人を起用していることも魅力のひとつです」

 確かにオネエ言葉で“ニラミ”をきかす片岡は、不気味ながらも時には視聴者をクスッと笑わせるような面白い役柄を演じている。そのため、原作では後半から登場する黒崎を、キャラクターの魅力ゆえ、原作にあえて手を加えて第1話から登場させたのだという。

※週刊ポスト2013年8月9日号

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