国際情報

韓国マスコミの日本報道 保守系より左派系のまともさ目立つ

 韓国マスコミでは“日本叩き”や“安倍叩き”なら何をやっても許されるという風潮がある。国民をそうやって煽りに煽るのである。単行本『日本人が知っておくべき「慰安婦」の真実』で韓国マスコミと世論の動向について分析している産経新聞ソウル駐在特別記者の黒田勝弘氏が韓国のメディア事情を報告する。

 * * *
 とんでもない扇動の象徴が、今年5月に韓国で報じられた「731事件」だ。韓国マスコミが“安倍叩き”でいかに劣悪か、ぜひ記録に残しておきたい。

 安倍晋三首相は参院選に先立ち東日本大震災の被災地を視察した。津波で水没した航空自衛隊松島基地を訪れ、アクロバット飛行隊「ブルーインパルス」のT4練習機の操縦席に座り、記念写真を撮った。その機体ナンバーがたまたま「731」だった。これに韓国マスコミが飛びついた。

 戦前、満州に駐屯していた関東軍の細菌兵器部隊の部隊番号と同じだとして「極右軍国主義の安倍を象徴」というのだ。「731部隊」は韓国や中国の反日ドラマによく登場するが、この偶然の一致を大真面目に“安倍軍国主義イメージ”としてキャンペーンに利用した。

「731事件」をブラックユーモア的に受け流したところはどこもない。こんな子供ダマシのようなネタを全マスコミが横一線で反日キャンペーンに仕立てるところが韓国マスコミの拙劣さである。

 今年の8.15では韓国の野党国会議員が靖国神社にまで押しかけ安倍非難の反日デモをやろうとしたが、この“トンデモ議員”を事前に叱ったメディアはどこもない。昨年、鬱陵(うつりょう)島視察を計画した自民党議員を入国拒否しながら、自分たちは入国できるという身勝手、甘えを誰も指摘しない。

 公平を期すために、辛うじて左派系のハンギョレ新聞だけが、「日本の国民感情を無視した思い上がった行動」と批判していたことは付記しておく。

 韓国マスコミの日本報道では最近、朝鮮・中央・東亜といった保守系の大手紙より左派系のまともさが目立つ。やはり左派系の京郷新聞も「韓国の“反日無罪”的なやり過ぎが日本の反韓世論を刺激している」と正確に伝えている。左派系メディアは国際試合で繰り返される「スポーツ反日」にも批判的で、大手保守系メディアへの対抗、批判として手垢のついた反日国粋主義を批判している。

 まともな日本報道は左派系メディアにしか期待できないというのも、韓国マスコミのレベルを物語っている。
 
 ※SAPIO2013年10月号

関連記事

トピックス

高校時代の安福久美子容疑者(右・共同通信)
《「子育ての苦労を分からせたかった」と供述》「夫婦2人でいるところを見たことがない」隣人男性が証言した安福容疑者の“孤育て”「不思議な家族だった」
活動再開を発表した小島瑠璃子(時事通信フォト)
《輝く金髪姿で再始動》こじるりが亡き夫のサウナ会社を破産処理へ…“新ビジネス”に向ける意気込み「子供の人生だけは輝かしいものになってほしい」
NEWSポストセブン
中国でも人気があるキムタク親子
《木村拓哉とKokiの中国版SNSがピタリと停止》緊迫の日中関係のなか2人が“無風”でいられる理由…背景に「2025年ならではの事情」
NEWSポストセブン
トランプ米大統領によるベネズエラ攻撃はいよいよ危険水域に突入している(時事通信フォト、中央・右はEPA=時事)
《米vs中ロで戦争前夜の危険水域…》トランプ大統領が地上攻撃に言及した「ベネズエラ戦争」が“世界の火薬庫”に 日本では報じられないヤバすぎる「カリブ海の緊迫」
週刊ポスト
ケンダルはこのまま車に乗っているようだ(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
《“ぴったり具合”で校則違反が決まる》オーストラリアの高校が“行き過ぎたアスレジャー”禁止で波紋「嫌なら転校すべき」「こんな服を学校に着ていくなんて」支持する声も 
NEWSポストセブン
24才のお誕生日を迎えられた愛子さま(2025年11月7日、写真/宮内庁提供)
《12月1日に24才のお誕生日》愛子さま、新たな家族「美海(みみ)」のお写真公開 今年8月に保護猫を迎えられて、これで飼い猫は「セブン」との2匹に 
女性セブン
新大関の安青錦(写真/共同通信社)
《里帰りは叶わぬまま》新大関・安青錦、母国ウクライナへの複雑な思い 3才上の兄は今なお戦禍での生活、国際電話での優勝報告に、ドイツで暮らす両親は涙 
女性セブン
東京ディズニーシーにある「ホテルミラコスタ」で刃物を持って侵入した姜春雨容疑者(34)(HP/容疑者のSNSより)
《夢の国の”刃物男”の素顔》「日本語が苦手」「寡黙で大人しい人」ホテルミラコスタで中華包丁を取り出した姜春雨容疑者の目撃証言
NEWSポストセブン
石橋貴明の近影がXに投稿されていた(写真/AFLO)
《黒髪からグレイヘアに激変》がん闘病中のほっそり石橋貴明の近影公開、後輩プロ野球選手らと食事会で「近影解禁」の背景
NEWSポストセブン
秋の園遊会で招待者と歓談される秋篠宮妃紀子さま(時事通信フォト)
《陽の光の下で輝く紀子さまの“レッドヘア”》“アラ還でもふんわりヘア”から伝わる御髪への美意識「ガーリーアイテムで親しみやすさを演出」
NEWSポストセブン
ニューヨークのイベントでパンツレスファッションで現れたリサ(時事通信フォト)
《マネはお勧めできない》“パンツレス”ファッションがSNSで物議…スタイル抜群の海外セレブらが見せるスタイルに困惑「公序良俗を考えると難しいかと」
NEWSポストセブン
中国でライブをおこなった歌手・BENI(Instagramより)
《歌手・BENI(39)の中国公演が無事に開催されたワケ》浜崎あゆみ、大槻マキ…中国側の“日本のエンタメ弾圧”相次ぐなかでなぜ「地域によって違いがある」
NEWSポストセブン