国際情報

日本とトルコの深い絆 きっかけは1890年のトルコ船乗員の救助

 中国や韓国が「国際社会からの孤立を免れない」という常套句で日本を批難するようになって久しいが、世界を見渡すと、日本を尊敬し、感謝の念を抱いてくれる国は多い。

 たとえば、アジアの東端にある日本と西端に位置するトルコとの絆は深い。その歴史は古く、1890年のエルトゥールル号遭難事件に遡る。この年、親善訪問として、トルコから総勢650人の使節団が軍艦エルトゥールル号に乗って来日した。しかし、その帰路、エルトゥールル号が台風によって和歌山県沖で沈没。地元の漁村の人たちが命懸けで救助活動にあたり、乗員69人を救出、温かく看護してトルコに帰国させた。

 この出来事にトルコの人たちは大変感謝し、以来、「日本はすばらしい国」という認識が根付いている。国際問題アナリストで国際政治学者の藤井厳喜氏がこう指摘する。

「その返礼というか、1985年のイラン・イラク戦争の時には、イランから出られなくなった日本人救出のために、トルコが飛行機を出してくれました。非常に危険な状態のなかで、当時のオザル首相が“借りを返したい”と日本人の救出に力を貸してくれたんです」

 当時は自衛隊機を海外に派遣することができなかった。トルコのおかげで、200人以上の在留邦人は、無事にイランを脱出できたのだが、それほどまでにトルコは日本への恩義を忘れずにいてくれたのだ。

※週刊ポスト2013年10月25日号

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン