国内

皇室外交で訪問国のブランド品使うことは相手国への友好示す

 皇太子妃雅子さまは父・小和田恆氏の仕事の関係で、幼い頃から海外を転々とされた。さらに大学卒業後も外交官として海外でも活躍したキャリアウーマンである。そのため、ご婚約の頃から、雅子さまのファッションには注目が集まった。グッチ、セリーヌ、ヨビス、ヘルノといった海外高級ブランドのコートやバッグを颯爽と着こなされる姿に国民は釘付けとなった。

 皇室に嫁がれてからは皇太子妃という立場から日本のブランドをお選びになることも多いが、美智子さまや紀子さまに比べると海外ブランドを使われる機会が多い。

 雅子さまと同じように海外ブランドを比較的多く取り入れていらっしゃるのが、東京五輪招致成功の決定打となったスピーチをされた高円宮妃久子さまとそのお子さまがただ。

 久子さまご自身、海外を公式訪問されるときなどにはシャネルなどの高級ブランドのバッグを使われることが多い。

 また久子さまに倣われるように、長女・承子さまはクリスチャン・ディオール、三女・絢子さまはルイ・ヴィトンのバッグを愛用されている。

 久子さまは中学校まで聖心女子学院で学ばれた後、三井物産の重役だった父・鳥取滋治郎さんの仕事の関係で、15年間も海外で暮らされた。大学も英国のケンブリッジ大学に進まれ、卒業後は語学力を生かして、英語の翻訳や通訳などの仕事に携わり、雅子さまと同じように世界中を飛び回られていた。

「雅子さまも久子さまも若い頃から海外生活が長く、欧州の王室を間近に感じていらっしゃいました。ですから、ご自身のロイヤルファッションを確立するに当たって、王室のファッションを模範とされたんだと思います」(皇室ジャーナリスト・神田秀一氏)

 確かにおふたりが愛用するブランドは、王室と縁が深い。エルメスには、モナコのケリー妃から名づけられた『ケリー・バッグ』があり、クリスチャン・ディオールにも英国のダイアナ妃が愛用した『レディ・ディオール』がある。このバッグは、後に『ダイアナ・バッグ』と呼ばれるほどの人気となった。

 雅子さまや久子さまが海外ブランド品を使われることに服飾評論家の市田ひろみさんは、こう話す。

「久子さまは、今回のスピーチのように海外に行かれる機会も多いでしょう。また雅子さまも皇室外交をされることを望まれていました。皇室外交をする上で、訪問国のブランド品を使われることは、相手への友好感情、友好関係を表しているように思います。

 その国の人々からすれば、皇族が“自分の国のブランドを着てくれている”と喜ぶでしょう。加えて世界中の誰もが知っているブランドですと、品位も保つことができますので、私は皇族がたが海外ブランド品を使われることに賛成です」

 確かに美智子さまも皇太子妃時代には、シャネルやグッチを持たれたこともある。

 1959年、陛下と結婚された際にお召しになられたローブ・デコルテはクリスチャン・ディオール製だった。

「当時、ディオールはブランドが立ち上がって10年ほどの新鋭ブランドでしたが、日本でもコレクションが発表されるなど、ファッション界では話題の中心でした。ディオールのローブ・デコルテをお召しになられた美智子さまのお姿は、まだ着物姿の女性が多かった日本に大きな衝撃を与えました。また、そのローブ・デコルテでパレードされた姿は、世界中に配信され、戦後の日本が歩んできた平和への道を示す象徴となったんです」(当時を知る皇室記者)

 海外ブランドを使われることによって、復興を遂げた日本からの大きなメッセージを世界中に伝えることとなった。

※女性セブン2013年10月24・31日号

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