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オリジナル商品を開発 商標権の登録方法と利点を弁護士解説

 竹下正己弁護士の法律相談コーナー。今回は「オリジナル商品を開発した際には、商標権を登録するべきか」という質問が寄せられた。

【質問】
 和菓子店を経営しています。先日、隣町の和菓子店を覗いたところ、うちのオリジナルのお餅と似た商品を見つけました。これは商標権侵害の疑いがあると思うのですが、今後このような事態にならないように商品を開発した際には、商標権を登録するべきですか。また、特許も登録すべきでしょうか。

【回答】
 商標権は、登録した商標を、登録時に指定した商品やサービスに関して独占的に利用することを目的とする権利です。商標とは、商品やサービスについて使用される標章で、文字、図形、記号、もしくは立体的形状、あるいはこれらを結合したものです。

 お菓子についても、包装に使う名前やマーク、さらにお菓子の形自体も商標になり得ますが、何でも登録できるわけではありません。すでに同じ指定商品で登録された商標は登録できませんし、普通名称や極めて簡単でありふれた図柄や他人の商品と混同するようなものも登録できません。公序良俗に違反する商標も登録が認められません。

 また、形としての商標登録は、通常みられる形態だと認められません。特殊な形態でもお菓子の商品特性から、そのような形にならざるを得ないものも同様です。形を守りたい場合は、むしろ意匠登録が検討できると思います。

 こうした場合以外は、商標を使用する商品やサービスの区分を指定して登録できますが、指定商品等の範囲を広くすると登録料が高くなります。

 商標権を取得すると、指定商品についての登録商標の使用だけでなく、類似商標や類似商品への使用も禁止できます。商標権侵害があると、損害賠償請求ができ、その場合、侵害者の販売量から推計するなど簡易な立証が可能です。故意の侵害の場合には刑事罰の対象にもなります。

 ただし、商標権の存続期間は10年間で、更新の際には再度登録料の支払いが必要です。また登録した商標を3年以上使わないと、取り消されます。

 なお、特許は自然法則を利用した高度な技術的思想の創作を発明と定義し、これを登録する制度です。画期的な新規製法などであれば検討できます。

※週刊ポスト2013年11月1日号

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