2013年2月に就任した韓国の朴槿恵大統領。「加害者と被害者の立場は1000年の歴史が流れても変わらない」と語るなど、反日を煽るような言動を続け、日韓関係は悪化するばかり。日本国内では韓国に抗するように「嫌韓」「呆韓」論が相次いだ。この緊張関係は今年も続くのだろうか。産経新聞のソウル駐在客員論説委員・黒田勝弘さんが答える。
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円安に加え、日本国内での反韓ムードから、韓国では日本からの観光客が激減しています。ソウルきっての繁華街・明洞では、かつて日本語による呼び込みが盛んでしたが、今や日本人観光客は目立たなくなってしまいました。実際、2013年は初めて中国人観光客が日本人を上回りました。
反韓ムードの原因のひとつは、やはり朴大統領の執拗な日本批判です。外遊先で竹島問題や慰安婦問題に触れて日本の歴史認識を批判する「告げ口外交」は見苦しかったですね。
こうしたやり方は国際的にも評判はよくないのですが、朴大統領は、引っ込みがつかない状態。安倍首相は首脳会談をやろうやろうと言っているのに受けようとしない。彼女は「ブレない政治」が看板ですから、妥協したくないのです。もっと広い視野で日韓関係を考えてほしいですね。
一方の日本では、韓国憎しで、韓国経済が破たんするなどと報じられていますが、そんなことはありません。むしろ成長率は3%台に上方修正しているほどです。
多くの日本人は、韓国はさぞかし反日一色に違いないと思うかもしれませんが、実は韓国社会における日本のイメージは決して悪くない。私は韓国に30年以上住んでいるのでわかりますが、メディアや政治だけが突出して反日的なだけ。大使館前で反日デモをしているのも、いつも同じ顔ぶれです。
一般の韓国人は日本のものが大好きで、今、日本式の居酒屋や寿司店が大盛況。学生街にも寿司店ができ、若者の間では日本がカッコいいという日本ファンも多くて、お店も日本語の看板を出すのが流行るぐらいです。
日韓関係は今、最悪です。朴大統領の意地っ張りには韓国国内からも批判が出始めていますが、靖国問題の再燃もあり、改善は難しそうです。
※女性セブン2014年1月23日号