スポーツ

原田雅彦より格上だった高梨沙羅父はジャンプ界のさくらパパ

 ソチ五輪スキージャンプの日本代表に選ばれた高梨沙羅(17)。昨年のW杯個人総合優勝、今季も開幕4連勝を挙げるなど、金メダル候補最右翼として注目されているが、スキー界では本人よりも、その父・寛也さんのほうが有名人になっている。きっかけは昨年の夏のことだった。スポーツ紙の五輪担当記者が語る。

「お父さんから、スキー担当記者たちに緊急招集がかかったんです。これは何かあったぞと、各社慌てて、高梨の実家がある北海道上川町に集まったんです」

 その数、総勢30人以上。誰もが札幌から3時間、車を飛ばしてやってきた。しかし現場に行ってみると、記者たちを待っていたのは、高梨の母・千景さんがオープンしたという焼き肉店の「お披露目パーティ」だった。

「そこでお父さんが登場し、“皆さんの力で店を有名にしてやってください。沙羅の記事に盛り込んでもよし、テレビや新聞でぜひ紹介してほしい”と挨拶して、皆でずっこけました。しかも会費まで取られましたからね、しっかりしていますよ(笑い)」(同前)

 この寛也さんも、かつてはジャンプ選手だった。上川小・中学校では、1998年の長野五輪の金メダリスト・原田雅彦の1級先輩。地元では、「その頃は原田よりも能力は上だった」との評価もあったが、選手としての道は選ばなかった。

 沙羅が小学2年生になった頃から英才教育を開始。自宅にもジャンプ台を作ってフォームを体に叩き込み、ダイエット用振動器具の上で助走(滑降)姿勢を取らせたり、バランスボールに乗ったまま兄と相撲取らせたりと、娘を一流のジャンプ選手にするため、ありとあらゆるアイデアを注ぎ込んできた。

 独自の理論で娘を一流アスリートに育て上げ、メディアの扱いがうまい──そう、ちょうどあの人にそっくりということで、今では「ジャンプ界のさくらパパ」と呼ばれているという。

 沙羅の信頼も篤く、寛也氏の誕生日と重なった昨年のW杯第8戦では、見事な逆転勝利。「優勝を父にプレゼントしたかった」と大喜びする姿は娘を持つお父さんたちに羨ましがられた。

 ちなみに件の焼き肉店では、沙羅がまだ幼い頃、食が細く出来合いのものを食べないため、母が工夫を重ねた手料理を作り、なんとか沙羅に食べさせたというメニューを味わうこともできる。ニンニクをたっぷり利かせた豚肉の生姜焼きに、リンゴやナシを擦りこんだ料理などがそれだとか。なんだか本誌も、お父さんの戦略に乗せられたような気が……。

※週刊ポスト2014年1月24日号

トピックス

谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
列車の冷房送風口下は取り合い(写真提供/イメージマート)
《クーラーの温度設定で意見が真っ二つ》電車内で「寒暖差で体調崩すので弱冷房車」派がいる一方で、”送風口下の取り合い”を続ける汗かき男性は「なぜ”強冷房車”がないのか」と求める
NEWSポストセブン
アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
ジャスティン・ビーバーの“なりすまし”が高級クラブでジャックし出禁となった(X/Instagramより)
《あまりのそっくりぶりに永久出禁》ジャスティン・ビーバー(31)の“なりすまし”が高級クラブを4分27秒ジャックの顛末
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
「舌出し失神KO勝ち」から42年後の真実(撮影=木村盛綱/AFLO)
【追悼ハルク・ホーガン】無名のミュージシャンが「プロレスラーになりたい」と長州力を訪問 最大の転機となったアントニオ猪木との出会い
週刊ポスト
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン
話題を集めた佳子さま着用の水玉ワンピース(写真/共同通信社)
《夏らしくてとても爽やかとSNSで絶賛》佳子さま“何年も同じ水玉ワンピースを着回し”で体現する「皇室の伝統的な精神」
週刊ポスト
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
《駆除個体は名物熊“岩尾別の母さん”》地元で評判の「大人しいクマ」が人を襲ったワケ「現場は“アリの巣が沢山出来る”ヒヤリハット地点だった」【羅臼岳ヒグマ死亡事故】
NEWSポストセブン
真美子さんが信頼を寄せる大谷翔平の代理人・ネズ・バレロ氏(時事通信)
《“訴訟でモヤモヤ”の真美子さん》スゴ腕代理人・バレロ氏に寄せる“全幅の信頼”「スイートルームにも家族で同伴」【大谷翔平のハワイ別荘訴訟騒動】
NEWSポストセブン