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2014.02.10 07:00  週刊ポスト

製薬会社と医学部の癒着 現役国立大学教授が実名で現状告発

 その著名教授とは、腎臓病や高血圧など最も薬の需要が高い分野で、学会・製薬業界で知らぬ者はいないというX教授や、泌尿器や先駆的遺伝子治療の権威であるY教授らだ。まずX教授について。

「複数の論文で“細胞映像の使い回し”が確認されました。実験を繰り返すうちに、理想的な結果を示す細胞の状態が現われることがある。偶然に過ぎないのですが、その細胞の映像を光の露出も微妙に変えるなど細工をして何度も使い回すことによって、理想の研究結果が得られたかのように見せかけていた。完全に不正な手法です。

 また、基礎研究、臨床研究を通じて、統計データが非常に杜撰。何度も同じ数値が現われるはずがないような研究にもかかわらず、不自然に数値が一致することも多数確認できました。データの扱い方に、深刻な問題がある」(榎本氏)

 次にY教授である。

「臨床研究につながる複数の論文において、実験結果の画像を不正に操作した疑いが強い。また、複数の学術雑誌に掲載された類似論文を比較すると、同一患者のデータが食い違っていることがある。どちらかのデータが捏造であるのは明らかです」(同前)

 いずれも告発された研究者は、医学部をリードする看板教授とその弟子たちだ。榎本氏らは科学者の立場から「データ改竄などあってはならない」と憤慨するが、薬学の専門家として、その背景は熟知している。

「科学のデータは、思うように取れないのが自然なんです。だから、みんな試行錯誤を繰り返す。ただ、研究者によっては、そんな時間がもったいないと、都合のいいようにデータを改竄したり、あるいは他のデータを流用する人がいる。自分の組み立てたストーリーに、実験結果を当てはめるわけです」

 なぜデータ改竄を止められないのか。榎本氏が続ける。

「論文は、ばらつきのあるデータより、ストーリーに沿った整合性がある美しいデータの方が、高い評価を受け、それによって掲載雑誌のランクが上がります。論文の高評価が、学内の地位にも反映され、研究費や人事面でも優位となる。

 しかも、それに伴い製薬会社がアプローチしてくるようになる。そうすると、寄付講座(製薬会社からの奨学寄付金で行なう研究プロジェクトのこと)など“支援”を受けられるようになります。つまり、データ改竄によって、地位が上がり、カネに恵まれるわけで、科学者の良心を売り渡す人がいてもおかしくない構造があるのです」

 その結果、国内外の有力製薬会社から支援を受け、総額で年間数億円の寄付講座を持つ教授が現われるのである。

※週刊ポスト2014年2月21日号

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