国内

朝日新聞 週刊誌よりも「韓国」や「慰安婦」の見出しを好む

 朝日新聞が「売れるから『嫌中憎韓』」という特集記事を2月11日に掲載した。そこでは、「嫌中憎韓」が出版界のトレンドになりつつあると解説し、要は売れるからという理由で中国、韓国に対する悪感情を煽っていると解説している。

 しかし、いまの日本に渦巻く嫌中憎韓のムードはいかに生まれたのか。朝日新聞は、これまで政権批判の常套手段として、従軍慰安婦問題についても靖国参拝問題についても、「中国や韓国が反発している」ということを自らの批判の根拠としてきた。

 たとえば、安倍首相が靖国神社に参拝した12月26日当日の夕刊では、「中韓、強く抗議」「中韓との関係悪化を懸念」と2つも大きな見出しを使って取り上げ、参拝翌日の社説でも、〈安倍首相の参拝に、侵略の被害を受けた中国や韓国は激しく反発している。外交にいらぬ火種をつくる。下策である〉と重ねた。

 ちなみに本誌は、安倍首相の参拝を「自己都合によるもの」で「国際社会へ説明不足」と批判してきたが、「中韓が反発するからやめろ」といったことは一度もない。自分たちの批判の根拠をあくまで中韓の反発に置く、というやり口なのだ。

「これは朝日に限りませんが、どこかの発表に基づく『発表報道』が主流になっていて、取材に基づく言論というものが非常に貧弱になっている。いわゆる『ご注進報道』などといわれる、記事の持つべき力を他国の『外圧』に頼るこの種の報道は、その流れの上にあるものだと思います。主張すべきことがあるのなら、きちんと自分らで取材をして、自前の議論をすべきです」(田島泰彦・上智大学教授)

 だからこそ、朝日は韓国で起きたこと、発表されたことは、過剰なほど大きく取り上げる。

 たとえばこの2月、村山富市・元首相が訪韓し、元慰安婦と面会し、植民地支配を謝罪した「村山談話」の継承をアピールした件では、二度も写真入りで報じる力の入れようで、他紙を圧倒した。

 ほかにも、韓国の外相が元慰安婦を訪問すれば「日本の指導層の歴史を歪曲した妄言には断固対応する」(外相)「日本の暴言がひどくなっている。私が死ぬ前に間違いを認めさせて欲しい」(元慰安婦)といった発言を論評抜きでそのまま紹介し、韓国の女性家族省が「元慰安婦の日」を制定しようとすれば、これも取り上げる。
 
 週刊誌よりも朝日新聞のほうが、よほど「韓国」や「慰安婦」の見出しが好きなようだ。

※週刊ポスト2014年3月7日号

関連記事

トピックス

オフの日は夕方から飲み続けると公言する今田美桜(時事通信フォト)
【撮影終わりの送迎車でハイボール】今田美桜の酒豪伝説 親友・永野芽郁と“ダラダラ飲み”、ほろ酔い顔にスタッフもメロメロ
週刊ポスト
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン