ライフ

親の介護する息子の嫁は減少傾向 娘が世話するのが標準的に

 人生100年が当たり前の時代が目前、究極の選択で失敗しないことは重要だ。同居するなら、「娘」か「息子」か、もその一つ。

「将来病気をしたら不安だ。子供に面倒をみてもらうためにも同居もいいかもしれない。するとしたら、長男夫婦と長女夫婦、どちらと一緒に住めばいいのだろう」

 こう頭を悩ませているのは、65歳のAさん夫妻。周囲からは「息子のお嫁さんと気が合わなかったら最悪だから、娘にしなさいよ」といわれるが、どんな違いがあるのか。

 介護ジャーナリストの小山朝子氏は「様々なケースがあるので一概にはいえませんが」と前置きした上で、こう説明する。

「昔は“親は長男夫婦と同居するもの”という固定観念があったので、親世代にとっては世間的にも体裁が保てるという心理的なメリットがあります。さらに、嫁には負担をかけられるが可愛い娘にはかけたくないという気持ちもある。

 お金の面でも、金銭的な余裕があまりない場合、娘の婿には無心しにくいけれど、息子には比較的しやすい。“持ち家を息子夫婦に相続させるのだから、介護をしてもらうのは当然”という考えも働きやすいといえます」

 しかし、そうした親の心理は“嫁姑問題”という難題につながりやすい。とくに親に介護が必要になった場合、“他人”である嫁が下の世話まですることになり、その負担は極めて大きくなる。

「介護はそれまでの人生の延長線にあるものなので、ご飯の食べ方ひとつとっても、何から食べるとか、飲み物をいつ飲むかといった、生活習慣の些細な違いが問題になる。それが毎日積み重なって大きな軋轢が生まれ、息子夫婦の離婚に発展してしまうケースもあるほどです」(小山氏)

「認知症の人と家族の会」の統計によると、息子の嫁が介護するケースは減少傾向にあり、1982年の43%から2011年には9%にまで減っているという。いまや親の介護は“嫁ではなく娘がする”のがスタンダードのよう。娘のほうが親の生活習慣を知っているうえ、遠慮なくものがいえる間柄だけに、世話をしやすいのだろう。

 娘夫婦と同居する場合、“嫁姑のトラブル”がないのが最大のメリットといえそうだが、とはいえ心配がないわけではない。

「娘の夫に対してはもちろん気を遣わなければならないし、相手の親御さんが“なんでウチの息子が同居しなくちゃいけないんだ”と不満を持って、家同士の問題に発展するケースもあります」(小山氏)

 どちらと同居するかで悩む前に、「近くに住む」「二世帯住宅を考える」というように、適度な距離感を保つ方法を視野に入れてもいいのかもしれない。

※週刊ポスト2014年3月7日号

関連記事

トピックス

新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
安達祐実、NHK敏腕プロデューサーと「ファミリー向けマンション」半同棲で描く“将来設計” 局内で広がりつつある新恋人の「呼び名」
NEWSポストセブン
第69代横綱を務めた白鵬翔氏
白鵬“電撃退職”で相撲協会に大きな変化 旭富士のデビューほか「宮城野部屋再興」が前提とみられる動きが次々と
週刊ポスト
夫から殺害されたホリー・ブラムリーさん(Lincolnshire PoliceのSNSより)
《凄惨な犯行の背景に動物虐待》「妻を殺害し200以上の肉片に切断」イギリスの“怪物”が殺人前にしていた“残虐極まりない行為”「子犬を洗濯機に入れ、子猫3匹をキッチンで溺死させ…」
NEWSポストセブン
還暦を迎えられた秋篠宮さま(時事通信フォト)
《車の中でモクモクと…》秋篠宮さまの“ルール違反”疑う声に宮内庁が回答 紀子さまが心配した「夫のタバコ事情」
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKIが結婚を発表した(左・Instagramより)
《株や資産形成の勉強も…》趣里の夫・三山凌輝が直近で見せていたビジネスへの強い関心【あんかけパスタ専門店をオープン】
NEWSポストセブン
“ミヤコレ”の愛称で親しまれる都プロにスキャンダル報道(gettyimages)
30歳差コーチとの禁断愛の都玲華は「トリプルボギー不倫」に学んだのか いち早く謝罪と関係解消を発表も「キャディよりもコーチ変更のほうが影響は大きい」と心配の声
週刊ポスト
小芝風花
「頑張ってくれるだけで」小芝風花、上海でラーメン店営む父が送った“直球エール”最終回まで『べらぼう』見届けた親心
NEWSポストセブン
安青錦(時事通信フォト)
最速大関・安青錦は横綱・大の里を超えられるのか 対戦成績は0勝3敗で「体重差」は大きいものの「実力差は縮まっている」との指摘も
週刊ポスト
熱愛が報じられた長谷川京子
《磨きがかかる胸元》長谷川京子(47)、熱愛報道の“イケメン紳士”は「7歳下の慶應ボーイ」でアパレル会社を経営 タクシー内キスのカレとは破局か
NEWSポストセブン
三笠宮妃百合子さまの墓を参拝された天皇皇后両陛下(2025年12月17日、撮影/JMPA)
《すっごいステキの声も》皇后雅子さま、哀悼のお気持ちがうかがえるお墓参りコーデ 漆黒の宝石「ジェット」でシックに
NEWSポストセブン
熱愛が報じられた新木優子と元Hey!Say!JUMPメンバーの中島裕翔
《20歳年上女優との交際中に…》中島裕翔、新木優子との共演直後に“肉食7連泊愛”の過去 その後に変化していた恋愛観
NEWSポストセブン
記者会見に臨んだ国分太一(時事通信フォト)
《長期間のビジネスホテル生活》国分太一の“孤独な戦い”を支えていた「妻との通話」「コンビニ徒歩30秒」
NEWSポストセブン