スポーツ

初代日本人メジャー 村上雅則の後野茂まで30年かかった理由

 今季デビューする田中将大を始め、日本人選手が大リーグでプレーする光景もすっかり珍しくなくなった。しかしこれも先人たちの努力があってこそ。日本人メジャーリーガー第1号の“マッシー”こと村上雅則氏について、スポーツライターの永谷脩氏が綴る。

 * * *
 ヤンキースの田中将大がフィリーズとのオープン戦で2回無失点、3奪三振のデビューを飾った。サバシア、黒田博樹に続く3番手というリレーに、期待の大きさを感じる。公式戦に田中が登板すれば日本人では37人目だが、誰かがメジャーデビューすれば必ず思い出されるのが、“第一号”村上雅則の名前である。

 村上はメジャーリーガーになりたくてなったわけではない。“結果的に”なった男だった。1962年、村上は鶴岡一人監督の下で黄金時代にあった南海に入団する。当時の南海は、メジャーの戦略・戦術を積極的に学び、若手の育成を兼ねて野球留学を行なうなど、時代を先取りしたチーム作りを行なっていた。その留学生の1人に選ばれたのが、“左腕で面白い球(スクリュー)を投げる”と評価されていた村上だった。

 プロ入り2年目、1964年のキャンプ後半に渡米。当初は6月までの予定だったが、期限が過ぎても南海から帰国要請はなかった。「南海には大して必要とされていない」と判断した村上は、そのままアメリカでプレーを続行。ジャイアンツ傘下の1Aフレズノで11勝7敗、防御率1.78の成績を残す。するとそれがメジャーの目に留まり、ベンチの枠が広がる9月1日に合わせていきなりメジャーに昇格、ニューヨークでのメッツ戦のために招集された。

「ニューヨークに着いたのは夜中でした。一流ホテルのレストランで食事をしながら、何か契約書みたいなものにサインをしたのを覚えています」

関連記事

トピックス

大谷翔平(写真/Getty Images)
《昨年は騒動に発展》MLBワールドシリーズとNPB日本シリーズの日程が“まるかぶり” NHKがワールドシリーズ全試合放送することで新たな懸念も浮上 
NEWSポストセブン
森下千里衆院議員(共同通信社)
《四つん這いで腰を反らす女豹ポーズに定評》元グラドル・森下千里氏「政治家になりたいなんて聞いたことがない」実親も驚いた大胆転身エピソード【初の政務三役就任】
NEWSポストセブン
恋愛についての騒動が続いた永野芽郁
《女の敵なのか?》山田美保子氏があらためて考える永野芽郁「心配なのは、どちらにとっても“セカンド女”だった点」
女性セブン
ナイフで切りつけられて亡くなったウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(Instagramより)
《19年ぶりに“死刑復活”の兆し》「突然ナイフを取り出し、背後から喉元を複数回刺した」米・戦火から逃れたウクライナ女性(23)刺殺事件、トランプ大統領が極刑求める
NEWSポストセブン
『酒のツマミになる話』に出演する大悟(時事通信フォト)
『酒のツマミになる話』が急遽差し替え、千鳥・大悟の“ハロウィンコスプレ”にフジ幹部が「局の事情を鑑みて…」《放送直前に混乱》
NEWSポストセブン
《想定外の横暴カスハラ》「給油機が止まってから、あと2リットルほど入るんや」還暦タイミーさんがガソリンスタンドで遭遇した“お客さまの常識外の言動”
《想定外の横暴カスハラ》「給油機が止まってから、あと2リットルほど入るんや」還暦タイミーさんがガソリンスタンドで遭遇した“お客さまの常識外の言動”
NEWSポストセブン
3年前に離婚していた穴井夕子とプロゴルァーの横田真一選手(HP/時事通信フォト)
「私嫌われてる?」3年間離婚を隠し通した元アイドルの穴井夕子、破局後も元夫のプロゴルファーとの“円満”をアピールし続けた理由
NEWSポストセブン
『週刊文春』によって密会が報じられた、バレーボール男子日本代表・高橋藍と人気セクシー女優・河北彩伽(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
「近いところから話が漏れたんじゃ…」バレー男子・高橋藍「本命交際」報道で本人が気にする“ほかの女性”との密会写真
NEWSポストセブン
小野田紀美・参議院議員(HPより)
《片山さつきおそろスーツ入閣》「金もリアルな男にも興味なし」“2次元”愛する小野田紀美経済安保相の“数少ない落とし穴”とは「推しはアンジェリークのオスカー」
NEWSポストセブン
aespaのジゼルが着用したドレスに批判が殺到した(時事通信フォト)
aespa・ジゼルの“チラ見え黒ドレス”に「不適切なのでは?」の声が集まる 韓国・乳がん啓発のイベント主催者が“チャリティ装ったセレブパーティー”批判受け謝罪
NEWSポストセブン
高橋藍の帰国を待ち侘びた人は多い(左は共同通信、右は河北のインスタグラムより)
《イタリアから帰ってこなければ…》高橋藍の“帰国直後”にセクシー女優・河北彩伽が予告していた「バレープレイ動画」、uka.との「本命交際」報道も
NEWSポストセブン
歓喜の美酒に酔った真美子さんと大谷
《帰りは妻の運転で》大谷翔平、歴史に名を刻んだリーグ優勝の夜 夫人会メンバーがVIPルームでシャンパングラスを傾ける中、真美子さんは「運転があるので」と飲まず 
女性セブン