スポーツ

今年の阪神 たけし軍団に2-4で負けた暗黒時代の不吉な影想起

 阪神がおかしい。オープン戦では最下位を争うなど、昨年2位だったとは思えない体たらくぶりなのだ。縦縞軍団に何が起きているのか。そこにはあの長く苦しかった「暗黒時代」(1980年代中盤~2000年代前半)の再来を思わせる、不吉な影が差していた。
 
 オープン戦7連敗は球団ワーストタイ記録。球春間近い3月11日になってようやく初勝利を挙げ、虎党はホッと胸をなで下ろした。
 
 思えば今年はキャンプから、嫌なムードが漂っていた。話題になるのは、“臨時コーチ”の掛布雅之氏ばかりで、チームはさっぱり新聞の話題にも上らない。久しぶりに記事が出たと思ったら、新外国人・ゴメスの騒動。「家庭の事情」とやらで来日が2度も延期されたうえ、「微熱が出た」といって紅白戦を休む。結局3月半ばになっても、能力は未知数のままだ。
 
「ハズレの臭いがプンプンする助っ人やなあ。去年のコンラッドも最悪やったし。大丈夫かいな」
 
 そんな70代ファンの嘆きも、もっともだ。
 
「まァ、1回勝てたからエエわ。しかし、なんか昔に戻ったみたいやなあ」
 
 そう、オープン戦とはいえこの状況、なんだか懐かしい思いがしないだろうか。「最下位争い」、「ハズレ外国人」、「1勝してホッとする」……、虎党なら“あの頃の匂い”を感じるはずだ。いわゆる「暗黒時代」である。
 
 1987年から2002年にわたる17年間、阪神は最下位10回、5位2回という酷い低迷期にあった。そういえば今季で3年目を迎える和田豊監督は1985年に入団、2001年引退。つまり現役3年目から暗黒時代に突入した人物が、監督“3年目”を迎えるのだ。これも不吉な予兆か? 忘れたくても忘れられない、あの忌まわしい記憶がいま甦る──。

 1985年の日本一の余勢で、1986年はAクラス(3位)に留まった。しかし1987年は投手陣が崩壊。頼みの4番・掛布も.227という絶不調でチームは勝利から見放され、7 月7 日には借金を30まで増やし、早々と最下位を決めた。この年は、今でも球団ワーストとなる勝率.331を記録する。
 
 続く1988年。監督が吉田義男から村山実に交代したこの年も、開幕直後に不測の事態が起きる。5月、主砲・バースが、「長男の病気」のため帰国。その後の交渉もうまくいかず、そのまま退団したのだ。チームの不振は続き、2年連続で最下位。おまけに掛布がシーズン終盤に引退を発表し、大砲2本を失った阪神は、本格的な低迷期に突入した。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン