ビジネス

NHK2013年度中間決算は180億円の黒字も受信料4月に値上げ

 消費増税にともない、NHKの受信料が値上げされる。しかし実態は増税を口実にした利権拡大ではないのか。

 NHKは公共放送の自立性を担保するために税金ではなく受信料で運営されている。2014年度予算と事業計画ではその総額は6428億円となる見込みだ。その受信料が消費税増税にあわせて4月に値上げされ、地上契約で月額1310円(従来は1275円)、衛星契約で月額2280円(同2220円)となる。

 NHKはホームページで「消費税率の引き上げ分を適正に転嫁させていただくことが必要となります」と説明している。しかし本当に値上げの必要があるのだろうか。NHKは2011年度決算で223億円の黒字(事業収支差金)、2012年度決算でも195億円の黒字を計上している。

 民放と違って視聴者から受信料を徴収し運営しているNHKは、巨額の黒字が出たならば受信料の値下げという形で視聴者に還元するのが筋だろう。そもそもNHKは受信料の「10%値下げ」を視聴者に約束したはずだ。

 記憶が薄れている読者もいると思うので振り返る。

 NHKが「受信料値下げ」を打ち出したのは2008年(平成20年)のこと。『平成21~23年度NHK経営計画』に「平成24年度からの受信料収入の10%還元」を明記した。発端は2004年に相次いで発覚した経費流用の不祥事だった。これに怒った視聴者たちの間で受信料の不払いが拡大し、NHKは信頼回復のために受信料の値下げに踏み切らざるを得なかったのだ。

 だが「10%還元」の約束が守られることはなかった。2012年(平成24年)10月から値下げされたものの、東日本大震災、景気低迷など「(計画決定当時より)検討すべき前提が増えた」(昨年12月3日の衆議院総務委員会での松本正之・前会長の発言)との理由で値下げは最大120円、7%に留まった。

 国会でNHKの受信料問題を追及し続けている佐藤正夫衆院議員(みんなの党)はこう憤る。

「NHKは景気悪化にともない受信料が免除される生活保護世帯が増えたことや、東日本大震災を受けて災害時に対応できるよう設備投資などが必要になったとの理由で7%の値下げに留めた。当初の3か年計画では、1年目の2012年度予算で収支の見通しがプラスマイナスゼロ、2年目の2013年度予算でマイナス40億円と、受信料を値下げする分、経営が厳しくなるとの説明でした。

 ところがフタをあけてみれば大幅な黒字だった。2013年度はまだ中間決算までしか出ていませんが、その段階で180億円の黒字です。つまり10%の値下げも可能だったわけです。巨額の黒字が出たならばまずは残り3%分を還元して国民との約束を果たすべきです」

※SAPIO2014年4月号

トピックス

小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン