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【ドル円週間見通し】消費増税は円安要因 底堅い展開を予想

 投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、3月31日~4月4日のドル・円相場の見通しを解説する。

 * * *
 今週のドル・円は、4月1日の消費増税の影響、新年度入りした本邦機関投資家からの新規の外貨建て投資への期待感、米国3月の雇用統計の改善期待から底堅い展開が予想される。リスク要因としては、ウクライナ情勢の深刻化、中国でのデフォルト(債務不履行)、中国人民元の続落、などに警戒することになる。

【消費増税(5.0%→8.0%)】(1日)
 消費増税は、円安要因となる。1989年の竹下内閣での消費税3.0%導入では、ドル・円は、導入時の133円台から翌1990年4月には160円台まで上昇した。1997年の橋本内閣での消費増税(3.0%→5.0%)では、ドル・円は、増税時の123円台から5月には127円台まで上昇。6月に一時110円台まで反落したものの、翌1998年8月には147円台まで上昇した。

 消費増税による景気低迷を回避するため、日本銀行による異次元の量的・質的金融緩和第2弾も期待されることで、ドル・円相場は底堅い展開が予想される。

【ウクライナ情勢】
 プーチン・ロシア大統領がクリミア自治共和国のロシア編入を強行したことで、欧米英とロシアとの対立深刻化が懸念されている。オバマ米政権が「OFAC規制」を発動し、ロシア国家及び金融機関の資産凍結を強行した場合、ロシアも米国債の売却などを警告しており予断を許せない状況が続く。

【米国3月雇用統計】(4日)
 米国3月の雇用統計の予想は、失業率が6.6%で2月の6.7%から低下、非農業部門雇用者数は前月比+19.0万人で、2月の+17.5万人から増加幅が拡大することが見込まれている。3月の連邦公開市場委員会(FOMC)でフォワードガイダンス(将来の金融政策指針)としての失業率目安(6.5%)が撤廃されたことで、これまでのような注目度合いは低下している。

 ネガティブ・サプライズとならない限り、4月29-30日のFOMCでは、100億ドルのテーパリング(量的緩和縮小)が継続されることが予想されている。

【本邦機関投資家の新年度入りの外貨建て資産投資】
 4月の新年度入りで、本邦機関投資家による新規の外貨建て資産への投資が予想される。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が日本国債での運用を減らし、株式や外貨建て資産での運用を増やす意向を示していることで、本邦機関投資家のポートフォリオも同様の「グレート・ローテーション」が予想されている。

 3月31日-4月4日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。

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