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カープファン 開幕後の好調を喜ぶ一方で戸惑い隠せぬ様子も

「今年のカープは違う」という言葉は毎年聞き飽きたが、今年こそは本当に違うようだ。かつての「赤ヘル旋風」が今、再び吹き始めようとしている。

 こんなシーズンはいつぶりだろうか。毎日が楽しくて仕方がない。試合結果を見て思う言葉は、「ああ、また負けた……」ではなく、「おお、また勝った!」。横浜と激しい最下位争いをしていた日々がウソのようだ。

 4月、堂々セ・リーグ首位を走り続けた広島カープ。この状況に、広島ファンは喜びを爆発させている。

「物心ついてから、カープが強かった例がなかった」と語るのは、広島県出身の20代の男性。

「それが昨年にはクライマックスシリーズに出場し、今年は開幕から絶好調。今でも夢を見ているのではないかと思っています」(同前)

 広島在住、カープ一筋の70代男性の言葉は重い。

「まさか死ぬまでにもう一度、広島が優勝できるかもしれないシーズンが来るとは思わなかった。自分にとって“最後の花火”になるかもしれないが、ぜひ冥土の土産に、優勝の美酒を味わいたい……」

 開幕から3カード勝ち越しを決めたのは、27年ぶりの快挙。その後も勝ち越しを続け、4月19日には実に1998年以来、16年ぶりの「貯金8」を記録した。この調子で行けば、23年ぶりの優勝も現実味を帯びてくる。

“カープ芸人”として知られるお笑いコンビ「ザ・ギース」の尾関高文氏も、カープの今季に期待を寄せる。

「カープが初優勝した(1975年)時は、広島市内が一晩中お祭り騒ぎだったという“伝説”を、タクシーの運転手さんから聞いたりしますが、今年はついにそんな光景を目にできるんじゃないかと、今から楽しみにしているんです」

 しかしその一方で、「戸惑いが隠せない」というのが、ファンの正直な感想だとか。

「なにせこれまで“多重債務者”のような生活しかしたことがないので、貯金があるという感覚がわからなくて(笑い)。巨人や阪神を抑えての首位ですから、嬉しい半面ソワソワもしています。いつ下がってもいいように、スポーツ紙の順位表を携帯で写真に撮っていますよ(笑い)。でも、トップにいるのがこんなに気持ちいいとは、初めて知りました」

 昨今の球界は、間違いなく広島を中心に回っている。「カープ女子」と呼ばれる女性ファンを全国規模で多数獲得し、都内の書店では広島関連本のコーナーが作られる人気ぶり。それに、

「神宮では巨人や阪神戦だけではなく、広島戦も多数の集客が見込めるドル箱となっている」(球界関係者)

 という。まさに「赤ヘル旋風」の再来といえよう。

※週刊ポスト2014年5月9・16日号

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