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東京直撃地震予測の東大名誉教授 的中させられた理由を語る

 ゴールデンウィーク最中の5月5日、早朝5時18分。首都圏を襲った激しい揺れは、3年前の「3・11」の衝撃を呼び覚ました。マグニチュード6.0、伊豆大島近海の深さ約162キロと震源は遠く離れていたものの、千代田区では震度5弱を記録した。全国民が次の大災害に身構える一方で、切望されている地震予測は遅々として進まないのが実情だ。

 そんな中、地震研究の中枢からは大きく距離を置きつつも、昨年からズバズバと地震予測を的中させている人物がいる。東京大学名誉教授で、1992~1996年まで国際写真測量・リモートセンシング学会会長を務めた「測量学の世界的権威」である村井俊治氏だ。

 この村井氏、実は今回の地震についても的確な予測をしている。顧問を務める民間会社JESEA(地震科学探査機構)が週1回配信する「週刊MEGA地震予測」で、4月9日号から3週にわたって、首都圏での地震発生の可能性を示していたのである。

 まず4月9日号。東京周辺について「かなり歪みが貯まってきました」として「首都圏は要注視」と注意を促している。翌週の16日号では「東京都の秋川や神奈川県の川崎などで相当大きな隆起が見られます」と言及。さらに翌週23日号では「首都圏周辺で小地震が頻発してきた」と、注意喚起を継続し続けてきた。村井氏がいう。

「首都圏の地震予測を明らかにすると、多くの人々を不安にし、パニックに陥れてしまう可能性があった。そのため公表するか社内でも議論がありました。しかし、もしもがあってからでは遅い。注意を呼びかけるため決断したのです」

 日本は年間1000回以上の地震が起こる地震大国である。読者の中には「来るといっていればいずれは当たる。そんなもの信じられない」と懐疑的な方もいるかもしれない。しかし村井氏の予測は、確固たる理論に基づいている。その手法は、測量技術の応用である。

 国土地理院は、1995年の阪神・淡路大震災を機に、各地のGPSデータを測定する「電子基準点」を全国約1300か所に配備している。GPSとは位置情報を人工衛星を用いて測定する仕組みのこと。このデータは地震後の測量には用いられてきたものの、地震予測には使われてこなかった。

「これほどのGPS網が張り巡らされている国は、世界でも日本だけです。このデータが2002年から利用できるようになった。我々が2000~2007年に起きたマグニチュード6以上の地震162件全てのGPSデータの追跡調査を行なったところ、地震の前に何らかの前兆現象が見られることに気がついたのです」(村井氏、以下「」内同)

 その前兆現象とは、一言で言えば「地殻の微少な変動」である。

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