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首都地震的中の東大名誉教授 岐阜、山梨、長野は5、6月が注意

 5月5日、早朝5時18分。首都圏を襲ったマグニチュード6.0の地震。伊豆大島近海の深さ約162キロと震源は遠く離れていたものの、千代田区では震度5弱を記録した。この地震を含め昨年からズバズバと地震予測を的中させている人物がいる。東京大学名誉教授で、1992~1996年まで国際写真測量・リモートセンシング学会会長を務めた「測量学の世界的権威」である村井俊治氏だ。

 村井氏は全国のGPSの電子基準点のデータを追跡して地殻の微少な変動を計測し、地震の「前兆現象」をとらえるという。

 やはり最も気になるのは今後注意すべき地域はどこかということだろう。村井氏が指摘したのは、ゴールデンウィーク中に群発地震が起きていた岐阜県だ。

「春先から飛騨・高山中心に20か所くらいの電子基準点で大幅な上下動が観測されている。もっとも大きく動いているのは高山です」

 2月7日と2月14日にそれぞれ7センチ、6センチと突然大きな沈降が起き、また隆起して元に戻っている。これが村井氏のいう「前兆現象」に重なるという。

「最初は天候などの影響かとも考えましたが、山梨の『中道』や、長野県の『生坂』など、他の基準点も同様の動きを見せている。これまでの経験上、観測後3~4か月後に地震が起こるケースが多く、5月、6月は注意が必要でしょう」

 現時点では村井氏は地震学のメインストリームからは外れた位置に置かれ、彼の研究は「異端」とされている。そもそも従来の地震学の見地からは、調査の対象はあくまでも「地下」にあり、地上の観測点のデータを地震予測に利用するという手法が型破りに映るのも無理はない。

 しかし、従来の研究で地震発生のメカニズムの正体にたどり着く目処はたっていない。それでも地震への対策は我が国にとって喫緊の問題である。であれば、今そこにある「見えるデータ」を活用しない手はない。

「海外の研究者からは、地震学者ともっと協力して研究すべきだとの言葉をいただくことも多い。私たちは地震学者の方々を尊敬しているし、いつでも門戸を開いています」

(村井氏は「週刊MEGA地震予測」でさらに詳しい分析を展開している)

※週刊ポスト2014年5月23日号

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