国内

矢沢永吉 非常識な野次を一発で封じ込めた伝説的な切り返し

 東京都議会の野次が大きな問題になった。下品で差別的な野次は排除しつつ、ユーモア溢れる野次は考えられないのか。作家で人材コンサルタントの常見陽平氏が考える。

 * * *
 都議会でのセクハラ野次が話題となってからしばらく時間が経ちました。「早く結婚した方がいい」という趣旨の野次を飛ばした自民党の鈴木章浩議員は、被害を受けたみんなの党の塩村文夏議員に謝罪しました。この件はネットでも炎上し、関連する記事が拡散しました。海外のメディアにも飛び火しましたし、ネット上での署名運動や、参議院会館でのシンポジウムなども行われました。

 ここで少し立ち止まって考えてみたいのです。一つの事実を確認しておきたいと思います。それは、都議会に限らず、日本の議会において野次というものは飛ばされ続けてきたということです。いつも、ニュースなどで国会の中継が放送されるたびに、首相や大臣、議員が話す際には、裏で怒号のような声が響いています。よっぽどうるさい場合は議長が「静粛に」など注意をしますが、そうしない限り、野次は飛び続けているわけです。

 今回の件は、セクハラともとられかねない発言だったということもあり、メディアが取り上げ大問題となったわけですが、やや穿った見方をするならば、これは氷山の一角にすぎず、新聞沙汰にはならないものの、問題発言とも言える野次などはこれまでも飛んでいた可能性があることが推測されます。

 さて、ここで人はなぜ、議会で野次を飛ばすのかということについて考えてみたいと思います。主に次のような理由からではないでしょうか。

1.相手を威嚇するため
2.自分の意見の意思表示をするため 
3.相手を叱咤激励するため 
4.味方を応援するため
5.議論を活性化されるため
6.自分の存在をアピールするため
7.場の空気を変えるため

 すべての野次がダメなのではなく、中には意味のある野次、ポジティブな野次、ウィットに富んだ野次というものもあるのではないかと思うわけです。本質論での野次、しかも、ウィットに富んだものはむしろ議論を活性化させるのではないかと。今回はさすがに差別的な意識に満ちており問題だと感じておりますが。

 やや残念なのは、議会の野次は単なるガヤになっていないかと。そこで議員が幼稚なのではないかと感じるわけです。その野次は、ポジティブに機能しているかということを今一度、考えたいところです。

関連記事

トピックス

広島・広陵高校の中井哲之監督と会見を開いた堀正和校長
【「便器なめろ」の暴言も】広陵「暴力問題」で被害生徒の父が初告白「求めるのは中井監督と堀校長の謝罪、再発防止策」 監督の「対外試合がなくなってもいいんか?」発言を否定しない学校側報告書の存在も 広陵は「そうしたやりとりはなかった」と回答
NEWSポストセブン
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
大谷翔平&真美子さん、イチロー&弓子さん、賀来賢人&榮倉奈々、反町隆史&松嶋菜々子…“しあわせな結婚”を実現した理想の有名人夫婦
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《過激すぎる》イギリス公共放送が制作した金髪美女インフルエンサー(26)の密着番組、スポンサーが異例の抗議「自社製品と関連づけられたくない」 
NEWSポストセブン
1990年代、多くの人気バラエティ番組で活躍していたタレント・大東めぐみさん
《交通事故で骨折と顔の左側の歯が挫滅》重傷負ったタレントの大東めぐみ「レギュラーやCM失い仕事ほぼゼロに」後遺症で15年間運転できず
NEWSポストセブン
ポータブルトイレの大切さを発信するYoutuber・わさびちゃん
「そもそもトイレの話がタブー過ぎる」Youtuberわさびちゃんが「トイレ動画」を公開しまくるようになったきっかけ「芸人で恥ずかしいこともないし、夫に提案」
NEWSポストセブン
1990年代、多くの人気バラエティ番組で活躍していたタレント・大東めぐみさん
《事務所が猛反対もプロ野球選手と電撃結婚》元バラドルの大東めぐみ、人気絶頂で東京から大阪へ移住した理由「『最近はテレビに出ないね』とよく言われるのですが…全然平気」
NEWSポストセブン
全国で車中泊をしているわさびちゃん夫婦。夫は元お笑い芸人のピーチキス・けん。
YouTuber・わさびちゃんが「トイレ動画」でバズるまでの紆余曲折「芸人時代に“女”を求められたり、男性芸人から嫉妬されたり…」
NEWSポストセブン
悠仁さまに関心を寄せるのは日本人だけではない(時事通信フォト)
〈悠仁親王の直接の先輩が質問に何でも答えます!〉中国SNSに現れた“筑波大の先輩”名乗る中国人留学生が「投稿全削除」のワケ《中国で炎上》
週刊ポスト
「ビッグダディ」こと林下清志さん(60)
《借金で10年間消息不明の息子も》ビッグダディが明かす“4男5女と三つ子”の子供たちの現在「メイドカフェ店員」「コンビニ店長」「3児の母」番組終了から12年
NEWSポストセブン
女児盗撮の疑いで逮捕の小瀬村史也容疑者(37)。新たに”わいせつ行為”の余罪が明らかになった
「よくタブレットで子どもを撮っていた」不同意わいせつ行為で再逮捕の小瀬村史也容疑者が“盗撮し放題だったワケ” 保護者は「『(被害者は)わからない』の一点張りで…」
NEWSポストセブン
成年式を控える悠仁さまと第1子を出産したばかりの眞子さん(写真・右/JMPA)
眞子さん、悠仁さまの成年式を欠席か いまなお秋篠宮家との断絶は根深く、連絡を取るのは佳子さまのみ “晴れの日に水を差す事態”への懸念も
女性セブン
「ビッグダディ」こと林下清志さん(60)
《多産DVを語ったビッグダディ》「子どもができたら勝手に堕ろすんじゃないぞ」4男6女の父として子供たちに厳しく言い聞かせた理由
NEWSポストセブン