改札口まで10秒「駅待合酒場」と愛される横浜・鶴見の角打ち

　1時間に3本の電車が着くたびに、待合室の男たちの顔ぶれは少しずつ入れ替わり、数も減っていく。そして夜9時。お母さんの「もう終わりよー」の声が聞こえる。

「昔は8時で閉めていたんだけど、だんだん閉めるのが遅くなっちゃって。でも、酒屋を朝8時から開けてるから、これ以上遅くはできないのよ。みんなには9時8分の電車で帰ってもらうことにしてるのよ」

　それでも「お母さんの、もう終わりよーの声を3回聞いたら帰ることにしているんです」と粘る客が何人もいる。やはり、この居心地のよさを少しでも長く味わっていたいのだ。

「息子は今違う仕事をしているけれど、いずれは3代目を継いでくれると思うんですよ。そうなると、閉店時間もどうなるかねえ」

　ありがたいことに、『ほていや酒店』の歴史は、まだまだ続くと思っていいらしい。

■ほていや酒店

【住所】横浜市鶴見区寛政町18－7
【電話番号】045－501－5825
【営業時間】16時半～21時
【定休日】日曜日

タカラ焼酎ハイボール152円、ビール大びん360円。つまみはもろきゅう、イカ焼き、枝豆、ちくわなど12～13種類が100円～200円。缶詰200円から各種。