国内

「台湾は国でない」と決めつける大メディアの「媚中と無知」

 台湾の「國立故宮博物院」に所蔵される書画や青磁器、翡翠(ひすい)製品など186点が東京国立博物館の特別展「台北 國立故宮博物院―神品至宝―」でお披露目された。目玉の「翠玉白菜」は初の海外出展となり、6月24日の開幕から大勢の来場者で賑わっている。そんな日台友好を深めるイベントに、冷や水を浴びせたのは日本の大メディアだった。

 特別展の開会式について報じた毎日新聞の記事にこんな記述がある。

〈開会式直前、台北・故宮側から「台北 故宮博物院」と表記されたポスターなどについて、正式名称を使うよう抗議があり、これを受けて東京国立博物館側が「台北 國立故宮博物院」と修正。同博物館の銭谷真美館長が開会式のあいさつで陳謝〉(24日付)

 特別展の宣伝ポスターやチケット、ホームページでの名称表記が「台北 故宮博物院」となっていたことが大問題となったのである。正式名称にある「國立」の文字が削除されていたことに対して台湾総統府が抗議声明を発表。「台湾は国じゃない」と決めつけるかのような仕打ちに、「修正しなければ中止もある」と表明したのだ。

 猛抗議を受け、国立博物館のスタッフらが総出で、ポスターに「國立」の文字の入ったシールを貼る作業を行ない、なんとか開催にこぎつけた。ただし、開会式に出席を予定していた台湾の馬英九総統夫人は姿を見せなかった。

 この騒動について冒頭の記事を読むと、「東京国立博物館のせいで問題が起きたんだな」と思ってしまうが、実際は違う。

 この特別展の主催には東京国立博物館、國立故宮博物院とともに、NHK、読売新聞、産経新聞、フジテレビ、朝日新聞、毎日新聞、東京新聞という大メディアが名を連ねている。

 つまりメディアも当事者のはずなのだが、各社は「騒動は他人事」という姿勢を決め込んだ。朝日や産経は、毎日と同様に銭谷館長の謝罪を報じただけ。主催側としての自らの立場には何も触れていない。読売に至っては特別展のニュースの中で「國立」騒動についての言及すらなかった。

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