芸能

フジテレビ「若者たち2014」に団塊世代「安易過ぎる」と苦言

 苦境が伝えられるフジテレビが満を持して制作するこの作品、作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏にはどう映ったか。

 * * *
 7月9日に大注目の中で始まったフジテレビ開局55周年記念ドラマ「若者たち2014」(水曜午後10時)。妻夫木聡、瑛太、満島ひかり、柄本佑、野村周平、長澤まさみ、蒼井優……豪華キャストがそろい踏みの「兄弟たちの青春群像劇」。

 1966年に時代を魅了した伝説のドラマ「若者たち」の再来と鳴り物入り。事前PRも、ひと味違った。その生真面目さが異彩を放っていました。

「当時は全共闘の少し前の時代。アメリカではヒッピー運動、フランスではカルチェラタンでの学生運動、イギリスでのアングリーヤングメン…。世界中で若者の革命が起きていた時代でした…当時のドラマ『若者たち』を観て『お前はどう生きているんだ?』と問いかけられたように感じました」(「リビングむさしの」2014.6.28)

 と、今回演出を手がける杉田成道氏は当時をふり返ります。そして、ストレートにこんな宣言をしました。

「視聴者に直球で『人はなぜ生きているのか?』を問いかけていく熱いドラマを作りたい」(同上)

 時代設定を敢えて現代に据えてスタートした「若者たち 2014」。ところが画面に映ったのは……茶の間でプロレス。出前のソバをすすり、叫びながらチャリンコで疾走。夕日を背景に抱擁。いったい何時のお話?

 登場人物たちはとにかく声を張り上げる。たて続けにしゃべる。声のトーンが今の若い人の話し方とまったく違う。

「このドラマは討論ドラマです。通常のドラマの3倍くらいの台詞の分量で、役者にはとにかく間を置かずひたすら喋ってもらっています。みんな通常の3倍の音量で喋っていて、兄弟が集まるシーンでは特に大きい声です」(同上)

 つまり、音量の大きさは演出家の狙いだそう。「討論ドラマ」とは初耳です。異端といえば異端。大胆といえば大胆。オワコンといえば徹底したオワコンぶり。

「年配の人にはいいかも知れないけど、若い人はこういうの見ない」と若い視聴者がドラマにそっぽをむくのはうなずける。では、名指しされた「年配の人」たちはどうでしょうか。

 1960年代にテレビで「若者たち」を真剣に見ていた視聴者たちは、今回のドラマについていったい何を感じるのか? 団塊の世代に感想を聞きました。

「昔の『若者たち』は社会の底辺で真剣に生きていく若者たちを正面から真面目に描いていました。しかし、このドラマはぜんぜん違うでしょ(怒)。大きな声を出せば議論になる、というのは安易に考え過ぎている」と、いきなりお叱りの言葉。

関連記事

トピックス

実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
若手俳優として活躍していた清水尋也(時事通信フォト)
「もしあのまま制作していたら…」俳優・清水尋也が出演していた「Honda高級車CM」が逮捕前にお蔵入り…企業が明かした“制作中止の理由”《大麻所持で執行猶予付き有罪判決》
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン
和歌山県警(左、時事通信)幹部がソープランド「エンペラー」(右)を無料タカりか
《和歌山県警元幹部がソープ無料タカり》「身長155、バスト85以下の細身さんは余ってませんか?」摘発ちらつかせ執拗にLINE…摘発された経営者が怒りの告発「『いつでもあげられるからね』と脅された」
NEWSポストセブン
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《趣里と三山凌輝の子供にも言及》「アカチャンホンポに行きました…」伊藤蘭がディナーショーで明かした母娘の現在「私たち夫婦もよりしっかり」
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《恐怖のマッサージルームと隠しカメラ》10代少女らが性的虐待にあった“悪魔の館”、寝室の天井に設置されていた小さなカメラ【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン