ライフ

米の飼い犬殺処分率は11.3%で日本0.43% 米はペット後進国

 犬猫の殺処分がたびたび問題視されるが、なかなかゼロになる気配はない。ペット先進国といえばオランダながあがるが、アメリカはどうなのか? Can! Do! Pet Dog Schoolで科学的な理論に基づく犬のしつけを指導する西川文二氏が、アメリカはペット先進国なのかについて解説する。

 * * *
「この帽子ドイツんだ? オランダ」っちゅう、ダジャレの古典でおなじみの2国。実はペット先進国としても、名を馳せてる。

 犬や猫の殺処分がゼロまたはそれに近い、原則的に展示販売をしてない、生後8週齢までは親元にいさせる、ってなところがペット先進国の共通した特徴。イギリスなんかも肩を並べる。

 はて、いろんな面で先進国と称されるアメリカってのは、どうなの? って、私め調べてみました。

『犬が私たちをパートナーに選んだわけ』(ジョン・ホーマンズ著)によれば、2010年、アメリカでは約7700万頭の犬が飼われてて、一方で870万頭以上が殺処分されたらしい。

 同年の日本のデータでは、1186万頭の犬が飼われてて、約5万1千頭の犬が殺処分されてる。日米共にペット先進国とはとてもいいがたいけど、殺処分比率(母数を飼育頭数のみにするか、飼育頭数プラス殺処分数にするかなどで、数字は違いますけどね)の比較では、アメリカは日本よりもかなりペット後進国、っていえる。

 アメリカには、凶暴な犬を次々と制圧する、タレントなみに有名なカリスマ・トレーナーなる御仁がおる。でも彼をカリスマと位置づけてる限り、アメリカの殺処分数は激減しないでしょうな。だって、重要なのは噛まない犬に育てること。噛みつく犬に育てちまって、それを制圧することではないのですからね。

 しかもこの制圧に失敗したらどうなるか。先のアメリカの数字は、その結果を表してるともいえる。

 目指すべきは制圧ではなく、共生。さすれば自ずとペット先進国へと近づくことができるでしょうよ、日本もアメリカも。

※週刊ポスト2014年7月25日・8月1日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《噂のパートナーNiki》この1年で変化していた山本由伸との“関係性”「今年は球場で彼女の姿を見なかった」プライバシー警戒を強めるきっかけになった出来事
NEWSポストセブン
送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
「とにかく献金しなければと…」「ここに安倍首相が来ているかも」山上徹也被告の母親の証言に見られた“統一教会の色濃い影響”、本人は「時折、眉間にシワを寄せて…」【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
マレーシアのマルチタレント「Namewee(ネームウィー)」(時事通信フォト)
人気ラッパー・ネームウィーが“ナースの女神”殺人事件関与疑惑で当局が拘束、過去には日本人セクシー女優との過激MVも制作《エクスタシー所持で逮捕も》
NEWSポストセブン
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
NEWSポストセブン
デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト/目撃者提供)
《前橋・小川市長が出直し選挙での「出馬」を明言》「ベッドは使ってはいないですけど…」「これは許していただきたい」市長が市民対話会で釈明、市議らは辞職を勧告も 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン
今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン
柄本時生と前妻・入来茉里(左/公式YouTubeチャンネルより、右/Instagramより)
《さとうほなみと再婚》前妻・入来茉里は離婚後に卵子凍結を公表…柄本時生の活躍の裏で抱えていた“複雑な感情” 久々のグラビア挑戦の背景
NEWSポストセブン