国際情報

中国で幹部らに対して「姦通罪」復活 10日で10人逮捕も

 中国では習近平国家主席の肝いりで厳しい腐敗撲滅キャンペーンが展開されているが、腐敗の代名詞である汚職のほか、女性との不適切な交際を表す「姦通(中国では「通姦」)」が腐敗の罪状に挙げられており、7月上旬の10日足らずの間に10人もの党・政府・企業幹部が軒並み「姦通」という「党規違反」で身柄を拘束された。これは最近の傾向で、姦通で職務を解任されるのは極めて異例。

 中国では6月末に軍の最高幹部だった徐才厚・元中央軍事委員会副主席が汚職問題のほか、「厳重な規律・法律違反」で中国共産党の党籍を剥奪され、軍の司法機関に送られたが、徐の規律違反のなかに、女性問題、つまり「他人との姦通」があると伝えられている。

 すでに身柄を拘束されている周永康・元党政治局常務委員のグループでも、彼の腹心だった幹部も多数、姦通を罪状として挙げられている。例えば、7月2日に党籍剥奪処分が発表された冀文林・海南省元副省長や余剛・元党中央政法委弁公室副主任らで、この日には5人も姦通が罪状として挙げられた。また、7月2日から11日までの間に10人が同じ罪状だった。

 腐敗問題で処分を受けた幹部の罪状として「姦通」という言葉が登場したのはつい最近にすぎない。6月5日の戴春寧・中国輸出入信用保険会社元副総経理の摘発が最初といわれ、次が6月27日の住民の苦情を受け付ける機関である国家信訪局の長許傑・元党組織成員。その後続々と「姦通」の罪状が頻繁にみられるようになってきている。

 それ以前には不適切な女性関係で、党籍剥奪処分を受けたり、職務を解任されても、たんに「党規違反」とだけ書かれており、「姦通」との幹部の名誉を著しく貶めるような表現は使われていなかった。

 北京の党幹部筋は「このような姦通の文字が堂々と登場するのは、それだけ女性との姦通の事例が多いことを示していると同時に、習近平指導部が幹部の道徳観の乱れに断固として対処するとの姿勢の表れだ」と指摘する。

関連キーワード

関連記事

トピックス

11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
左が金井正彰・外務省アジア大洋州局長、右が劉勁松・中国外務省アジア局長。劉氏はポケットに両手を入れたまま(AFP=時事)
《“両手ポケット”に日本が頭を下げる?》中国外務省局長の“優位強調”写真が拡散 プロパガンダの狙いと日本が“情報戦”でダメージを受けないために現場でやるべきだったことを臨床心理士が分析
NEWSポストセブン
ビエンチャン中高一貫校を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月19日、撮影/横田紋子)
《生徒たちと笑顔で交流》愛子さま、エレガントなセパレート風のワンピでラオスの学校を訪問 レース生地と爽やかなライトブルーで親しみやすい印象に
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信フォト)
オフ突入の大谷翔平、怒涛の分刻みCM撮影ラッシュ 持ち時間は1社4時間から2時間に短縮でもスポンサーを感激させる強いこだわり 年末年始は“極秘帰国計画”か 
女性セブン
10月に公然わいせつ罪で逮捕された草間リチャード敬太被告
《グループ脱退を発表》「Aぇ! group」草間リチャード敬太、逮捕直前に見せていた「マスク姿での奇行」 公然わいせつで略式起訴【マスク姿で周囲を徘徊】
NEWSポストセブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン
大谷翔平選手、妻・真美子さんの“デコピンコーデ”が話題に(Xより)
《大谷選手の隣で“控えめ”スマイル》真美子さん、MVP受賞の場で披露の“デコピン色ワンピ”は入手困難品…ブランドが回答「ブティックにも一般のお客様から問い合わせを頂いています」
NEWSポストセブン