1259人。これは2013年に未成年者喫煙禁止法の違反容疑で書類送検された大人の人数だ。未成年の子供がたばこを吸っているのを黙認したというのがその理由だが――。
坪田信貴さん著のベストセラー『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』の主人公・さやかさんの母、美子さん(仮名。49才)は、さやかさんが高校時代、たばこを持っているのを見たことはあったが、「友達から預かっただけ」という娘の言葉を信じていた。ところが学校から呼び出されて事の次第が明らかに。それでも、美子さんはさやかさんを叱らなかった。
「先生に怒られて傷つく娘を、私がさらに咎めて、傷を多くする必要はありませんから」
美子さんは、叱らなかったどころか、娘を褒めた。
「先生に『ほかに誰が吸ったか言わないと退学にする』と言われても、さやかは友達の名前を出さなかった。なんて立派な子だろうと思って、心から褒めたんです(笑い)。
さやかも、『ああちゃん(さやかさんは母親をこう呼ぶ)に先生に謝らせてしまったことが本当に申し訳ない』と謝ってくれました」
好奇心からたばこを吸ったさやかさんだが、美子さんの思いはちゃんと伝わったわけだ。一方、思想家の内田樹さんは“黙認派”。
「31才の娘はたばこを吸いませんが、たとえ吸っていたとしても、自分は中学生の時から吸っていたので、子供に文句は言えません」
また、キャスター・エッセイストの小島慶子さんは子供が吸ってはならないというルールの理由を何度でも教えるという。
「ルールにはそれなりの理由があるのですから、それを教えます。それから、『外ではダメだけど家の中ではいいよ』と家庭を治外法権にはしません。家の中でも外でも、同じルールを守らなくてはならないし、子供も私も、守れるようにならないといけない。だって、ルールを守れなかったら、警察に捕まったり、人に危害を加えてしまうだけでなく、自分の身も危険にさらしかねませんから」
子供のこととなると心配が尽きないのが親というもの。接し方はさまざまだが、まずは我が子を信頼することが、親の役割ということだろう。
※女性セブン2014年8月14号