中国のネチズンたちが、郭美美の一挙手一投足から目が離せなくなるのはこのころからだ。中国のマスコミも血眼になって無職の21歳の行方を追い、メディアの数も一時は100社を上回っていた。
2014年7月、郭美美が逮捕される直前にも、彼女の武勇伝はネット上で話題となっていた。
青年誌の記者が語る。
「とにかく賭博と縁があるのが彼女の特徴です。この武勇伝というのも賭博に絡む話です。彼女がある賭場で負け続けたことでヒートアップし、最後には2億6000万元(約44億2000万円)の借金を抱えてしまったというのです。それでも彼女は、すぐに借金を補てんしてくれるパトロンを探し出し、またたくまに半分の借金保返してしまったというのです。ただ、それから間もなく警察に賭博容疑でつかまってしまったため、業者はもうかいしゅうすることはできなくなったのではないでしょうか」
8月4日、被告人であることを示すオレンジ色のベストをつけた郭美美がテレビのインタビューに答えている姿が流されたが、化粧を落とした腫れぼったい顔はまるで別人のようで、華美な生活をネットに晒していた挑発的な態度も影を潜めていた。
「ぜい沢禁止令を出して風紀を戒めている習近平政権の下では、彼女が見逃されるはずはないと思っていた人がほとんどだったのではないでしょうか。その意味では『やっぱりね』といった感想がよく聞かれますが、郭美美に批判的な人々も、いざ逮捕された姿を見せられると中国が暗い社会に向かっているようで複雑な気持ちになるようです」(北京のコンサルタント)
郭美美は、いろいろな意味でスターだったのかもしれない。