政府側は「身一つで(官邸に)来てしまったため、別荘に戻った」と釈明しているが、首相本人がわざわざ着替えを取りに戻ったとは考えにくい。
謎の行動について、「総理には複数の医師がついている。その1人を別荘に呼んでいて、外部に知られないように診てもらう必要があった」(自民党議員)という情報が流れているのだ。
公表している持病の治療を隠したくなるほど症状が悪化しているのではないかという見方だ。
だとすれば、問題は国の舵取りに関わってくる。ステロイドは、精神に副作用を及ぼすことでも知られているからだ。福岡大学筑紫病院で消化器内科を専門とする松井敏幸・教授はこう語る。
「ケースは少ないが『ステロイド精神病』になる可能性がある。落ち着きがなくなり、不眠や興奮しやすいなどの症状です。原因は解明されていないが、ステロイドはホルモン剤なので、脳の中の興奮しやすい部分に影響を与えると見られています」
一国のトップが精神的に異変をきたせば、ことは深刻である。副作用とは断定できないが、首相周辺では最近、いわゆる「キレる」首相の様子を不審に感じる者が少なくないことも事実なのだ。外交、経済など待ったなしの問題が山積する中で的確な判断ができなくなれば、国益にかかわる。
※週刊ポスト2014年9月12日号