芸能

海老名香代子さん「夫が亡くなっていなかったら今の私はない」

 ボツイチ…。60代以上の女性の間で広がりつつあるこの言葉をご存じだろうか。漢字で書いたら“没一”で、「夫に先立たれた経験が1回ある」という意味だ。“バツイチ”という言葉は離婚経験者の肩身の狭さをぬぐいさった感があるが、果たして“ボツイチ”は未亡人の何を変えるのだろう。

 1945年の東京大空襲で戦災孤児となった海老名香代子さん(80才)。父親の知人だった3代目三遊亭金馬師匠に引き取られ、その縁で、先代の故・林家三平師匠と結婚した。

 34年前、46才の時に夫の林家三平師匠をがんで亡くした。

「18才で嫁に来て、夫が生きている間は、家のなかの仕事だけ。だから夫の死の宣告を受けた時には、これからどう生活しようかという思いでいっぱいでした」(海老名さん・以下「」内同)

 しかし、悲しみに浸っている時間も、迷っている時間もなかった。

「闘病生活中、夫には情けない思いをさせたくなかったから、新しいベンツを買って、伊豆のリハビリセンターに通って、そこでほとんどお金を使っちゃったの」

 そんな時、海老名さんに転機が訪れる。テレビ番組『アフタヌーンショー』(テレビ朝日)の身の上相談のコーナーを任されたのだ。

 初の著書、『ことしの牡丹はよい牡丹』(文藝春秋)が37万部のヒット作になると、雑誌の対談コーナーの連載や、講演活動など、仕事が押し寄せた。あっという間に、睡眠時間もままならない売れっ子になった。

 現在もなお全国を飛び回っている海老名さんは言う。

「夫が亡くなっていなかったら全く別の人生になっていたはず。少なくとも、靴を履いて世間に出ていく私は、いなかったでしょう」

※女性セブン2014年7月10日号

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
ゆずりあい、ぶつからないように配慮するつもりがまったくない「どかないおじさん」がいる(イメージ、時事通信フォト)
新社会人が戸惑う「どかない系おじさん」 大柄な男性には場所をゆずり、女性が接触すると怒鳴り散らす
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン