アポE遺伝子とは、血液中に存在するタンパク質の一種、アポリポタンパクEの遺伝子のこと。アポE2からアポE4まで3種類あり、このうちアポE4遺伝子を持っている人はアルツハイマー型認知症の罹患リスクが3~8倍になるとされる。
日本での代表的な疫学研究としては久山町研究が有名だ。これは1988年に健診を受けた60歳以上の1017人を対象に現在まで追跡調査を行なっているもので、非常に信頼度が高いとされている。これによれば日本では約21%の人がアポE4遺伝子を持っているという。
「持つ人」と「持たない人」のアルツハイマー型認知症の発症率を調べた結果、アポE4を持たない集団は10.2%の人が発症したのに対し、持つ集団は28.8%が発症。日本人でも3倍近い差が認められた。
アポE4の検査方法は綿棒を使って口の中の粘膜を取るだけ。検査にかければ、約1か月で結果が出る。費用は2万円程度から受けられる。病院に行かずに自宅で簡単にできる検査キットも発売されている。
例えば株式会社メディビックの「アルツハイマー病DNAチェックプログラム」は、DNA採取後3週間~1か月で専用の遺伝子解析サイトから検査結果をダウンロードできる。料金は2万8000円(税込み)だ。
※週刊ポスト2014年11月21日号