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2014年その経営手腕が光った社長 経済誌編集長が選ぶ5人は

■佐治信忠氏(サントリー会長)
 新浪氏のトップ就任が大きく取り上げられたサントリーだが、代々創業家で守ってきたトップの座に外部の血を入れる決断をした佐治氏のほうをむしろ評価すべき、と関氏。

「ビーム社の買収をはじめ、本格的な国際戦略の道筋をつけた点でも、佐治氏のチャレンジ経営は他社では真似できない」とも。

■玉塚元一氏(ローソン社長)
 長年ローソンの経営を引っ張ってきた新浪氏がサントリーに移籍し、いきなり社長を任される形となった玉塚氏。

「ユニクロの社長時代は足元を固める経営で、柳井氏からスピード感が足りないと辞任させられた過去もあったが、今の玉塚氏はあの苦い経験を払拭するかのようにアグレッシブ。成城石井やユナイテッド・シネマの買収、コンビニのポプラへの資本参加など積極果敢な事業拡大が今後どう花開くか注目です」

■津賀一宏氏(パナソニック社長)
 長らく日本の電機メーカーは中国や韓国メーカーとの価格競争に敗れて苦境続きだったが、ここにきてようやく復活の兆しが見えてきた。

「ソニーはいまだに何を本業に業績回復を目指すのかも定まらない状況なのに対し、パナソニックは2018の100周年を目指して、「家電2兆、住宅2兆、クルマ(車載事業)2兆」を掲げ、実際に形になってきた。津賀さんはきちんとした事業目標の絵を描いて、決めたことを愚直にやっていくブレない経営が評価できます」

■日覺昭廣氏(東レ社長)
 経団連会長(榊原定征氏)企業の東レだが、今年は米ボーイング社と次世代旅客機の部品(主翼に使われる炭素繊維など)に関する大型契約を受注した。

「東レが何十年もかけて挑んできたモノづくりがようやくドル箱になりつつある。日覺さんは代々続く東レの粘り強い開発スタイルを見事に受け継いでいます」

■大西洋氏(三越伊勢丹社長)
 4月の消費増税の反動が予想以上に長引いてはいるが、百貨店業界における大西氏の手腕を評価する声は多い。

「百貨店の特徴でもある高品質・高付加価値の品揃えにこだわり、三越と伊勢丹の合併効果も図りながら非常にバランス感のある経営をしている」

【番外編】
■松本大氏(マネックス証券社長)
 今年はなんといっても、松本氏がテレビ東京の女子アナである大江麻理子さんと結婚したことが大きな話題となった。

「これまで女子アナといえば、みんなスポーツ選手に取られてきただけに、真面目に会社を経営してお金も持てるようになれば、人気ナンバーワンの女子アナも嫁にできる。世の男性に希望を与えた点で、松本さんの果たした功績は大きいと思います」

 さて、来年はどんな社長が注目されるのか――。関氏に共通するであろう条件を聞いてみた。

「業績回復で積極的に設備投資をする企業が増える中、リスクを取らない経営者に対する評価はどんどん低くなっていくでしょう。ただ、リスクと無謀を勘違いして業績を落とす社長も出てくるかもしれません。そのサジ加減次第で社長の評価は180度変わってくると思います」

●写真提供/月刊BOSS

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