こだわりのお総菜、おいしいと話題のおつまみ等々。贅沢でスペシャルなものを買えた満足感と 食卓がちょっと豪華になる幸福感…。そんな気持ちを味わえる地域密着型のスーパーとして愛される『成城石井』と、ユニークな品揃えで観光客も多い『北野エース』。成城石井を知り尽くしたブックライター・ジャーナリストで、『成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか?』の著書(共著)がある上阪徹さんと、北野エースが大好きなフードスタイリスト・鈴木葉子さんがそれぞれの魅力を語った。
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上阪:成城石井の自社工場『セントラルキッチン』に取材に行って驚きました。料理人が大きな鍋で作ってるの! ぼくが大好きなポテトサラダは、蒸したじゃがいもの皮は手むきですよ。皮のすぐ下にうま味があるから機械でむくとダメなんだって。1日2500個皮むきしてます。
鈴木:じゃがいもがしっとりしていておいしいわ。
上阪:丁寧に手作りしたおいしさなんですよね。これ味わっちゃうと他の店じゃダメ。娘の舌も肥えて困った(笑い)。
鈴木:北野エース大好き。ここは食のセレクトショップですね。ふりかけ、ごま、混ぜご飯の素とか、和風の食材がたくさん置いてあるから普段の食卓に取り入れやすい。浅草の老舗『ペリカン』の食パンも置いてあって。2000円買い物したら充分贅沢した気分になってストレス解消になるんですよ。
上阪:品揃えのよさ、バイヤーさんの情熱を感じますよね。
鈴木:商品のポップを見ているだけでも楽しいの。見たこともない地方の名品が必ずあるし、棚の前でどれにしようか迷う興奮といったら!
上阪:成城石井の東京・新丸ビル店はお土産を求めて行列ができてます。レストランで外食するのとはまた違う贅沢なんです。スーパーで買えるおいしい食卓。これが今どきのプチ贅沢。
鈴木:普段使いのスーパーにない魅力がありますよね。“食”は生活の原点だけに、スーパーって大事ですよ。近所の店で食材が元気ないとガッカリですよ。お刺身がしょんぼりしていたり。店に漂う“気”は重要。
上阪:店の活気やテンション上がる雰囲気は大事ですね。成城石井は店員がみんな楽しそうに働いてますよ。
鈴木:先日、近所のスーパー、オオゼキに珍しい京かぶらが あったの。スライスして甘酢に漬けたら、かぶら漬けがたっぷりできて。主婦ってそれだけのことですごく幸せな気分になれるんです。お店の人も頑張って仕入れたんだろうな~と思えて、このスーパーがますます好きになったんですよ。
上阪:成城石井が成長した理由のひとつは、成城に住んでいる食通のお客さんにもっとこういう物を置いてほしいというリクエストを受けてどんどん品揃えを変えていったそうです。客が声をあげればスーパーは愛され続けるのかもしれませんね。
※女性セブン2014年12月25日・2015年1月1日号