子持ちの男女を対象に調査したところ、子どもが入院した経験がある親は37.5%で、そのうち子どもが未就学児だったのは76.0%。入院する子どもの大半が、家族による細やかなケアが必要な年頃だとわかる。しかし、入院時に自宅から病院までどのくらいのかかったのかを尋ねると、病院までの距離が2時間以上かかる遠距離看病となってしまった親が、50家族中に1家族にのぼることがわかった(「子どもの入院実態調査」調べ)。

 同調査では、遠距離看病の経験がある親へ物理的に負担についても聞いているが、上位に「移動距離(53.1%)」「時間/多忙さ(38.4%)」「経済的負担(31.4%)」があげられている。そして子どもの入院経験がある親の8割以上が「親が子どもに付き添いやすい施設の充実」を望んでいることもわかった。

 現在、難病で苦しむ子どもの数は全国で 20万人と言われる。その家族も前述の調査にあるような負担に苦しんでいる。ドナルド・マクドナルド・ハウスが提供するのは、病院のそばで自宅と同じように過ごせるようプライバシーに配慮した、1日1人 1,000 円で利用できる部屋だ。この部屋の維持費や光熱費、利用者へのサポートには全国のマクドナルドの店舗で募金された寄付金全額などが使われている。

 2001年に日本で第1号ハウスの「せたがやハウス」がうまれてから利用者数は年々増え続け、これまでに34,749家族が利用している(2014年11月末現在)。2015年春、福岡に全国で10カ所目が開設される滞在施設「ドナルド・マクドナルド・ハウス」は、心から待ち望まれている居場所に違いない。

「その企業の業態と関わりがないようにみえる活動でも、新規事業が立ち上がるきっかけになることもあります。ビジネスの基本は、人が何に困っているかをみつけること。この潜在ニーズをうまく探り当てられる『問題発見解決型企業』こそが社会に役立つのです。社会貢献活動で縁ができたNPOやNGO、若者が起こしたベンチャーと既存企業が組んで事業へ発展すれば、収益が増え雇用を生み出し、国民にも国家にもプラスになります。

 社会に貢献するための『ニーズ探索力』と『新事業創造力』が弱い企業は、本当の意味での社会貢献力が弱いと言っても過言ではありません。援助のための援助に終わるのではなく、将来の事業を見据えた活動ができている企業は経営面でも良好な状態だと言えるでしょう」(前出・長田さん)

 企業が実践する社会貢献活動は、とかくイメージ面だけで語られがちだ。しかしどんなニーズを発見できているのか、という視点で見直すと、その企業がどのように事業に取り組んでいるのかが違った角度で見えてきそうだ。

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