●3位/BMW「i3」
電気自動車のBMW「i3」。これは電気自動車であることより、クルマづくりのアーキテクチャが注目点。
車体は普通のモノコック構造ではなく、エンジンやサスペンションがつくアンダーボディの上に、航空機などで利用が始まっているカーボンコンポジット材のキャビンを架装するという手法で作られる。そのため、重いバッテリーを21.6kWhぶんも積みながら、車両重量は同クラスのガソリンエンジン車と同レベルの1260kgしかない。
興味深いのは、そのi3が500万円を切る価格で販売されるということだ。カーボンコンポジット材で車体そのものを作る研究は大手自動車メーカーならどこもやっているのだが、他の材料と比べて圧倒的にコストが高いため、クルマにはまだまだとても使えるレベルにないと言われていた。
それを電気自動車という台数の限られたモデルながら、現実的な価格の市販車に採用したというのは、クルマづくりの歴史におけるトピックのひとつとみてもいいくらいのイノベーションだ。性能ももちろん良いが、それ以上に今後のクルマの進化を楽しみにさせてくれるモデルということで、3位に推した。