ライフ

肉を好きなだけ食べてやせる糖質制限ダイエットで死亡率上昇

 ダイエット効果があると一大ブームを巻き起こしたのが「糖質制限食」だ。「炭水化物を食べなかったら1か月で8kg痩せた」、「肉と野菜をお腹いっぱい食べているのに服のサイズが13号から9号になった!」と、ダイエット成功者からは歓喜の声があがっている。しかし、この食事制限には大きなリスクがあった。

 愛し野内科クリニックの岡本卓院長はそのリスクを次のように話す。

「2008年、アメリカ国立衛生研究所が発表した試験結果があります。1万人を対象にしたその試験によると、厳格な糖質コントロールを行って血糖値を下げたグループは、標準レベルの血糖コントロールを行ったグループに比べて21%も死亡率が高かったのです。
 
 日本では、2013年に発表された聖路加国際病院内科医の能登洋先生による研究があります。約27万人のデータを分析した結果、糖質制限で糖質を1日の総摂取エネルギーの30%以下にした場合、60~70%にした場合に比べて死亡率が31%上がることがわかりました」

 糖質制限によるリスクはそれだけではない。糖質だけを制限することができないことにより病気になる可能性があるという。

「糖質制限では炭水化物を控えるよう指南していますが、炭水化物を含む食べ物には糖質だけでなく食物繊維やミネラル、カルシウムなど体に必須の栄養素が含まれます。炭水化物を食べなくなることでそれらの摂取量が不足する。
 
 また、炭水化物以外なら何を食べてもいいので、お腹を満たすために自然と肉を食べる量が増えます。ハーバード大学のデコニング博士らが4万人超を20年間追跡調査した結果、高動物性たんぱく質の食事をすると糖尿病の危険性が高くなるという論文を発表しています」(岡本院長)

 また、『その「健康法」では早死にする』(扶桑社刊)著者で高須クリニック院長の高須克弥さんは、低糖質により精神状態が不安定になると指摘する。

「オーストラリアの研究チームによる報告が興味深い。24~64才の肥満の人106人を2つのグループに分け体重や精神状態の変化を1年間にわたって追跡したものです。片方は『肉、乳製品などたんぱく質や脂質を中心に摂取し、炭水化物を控える』グループ。もう片方は『炭水化物を多く食べる』グループです。食事以外は同じ減量プログラムを受けた結果、体重減少はどちらのグループも平均13.7kg。しかし精神状態については、炭水化物を控えたグループに気分の落ち込みや不安が見られたというのです」

※女性セブン2015年1月8・15日号

トピックス

全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン