芸能

逸見政孝氏総工費12億円の自宅残す 多額の借金にも妻負けず

 高視聴率番組『クイズ世界はSHOW by ショーバイ!』『たけし・逸見の平成教育委員会』などのパーソナリティで人気を博したフリーアナウンサーでタレントの逸見政孝さん(享年48)。人気絶頂の1993年、がんに侵されていることを突然公表。生還を誓うも、帰らぬ人となった。

 そんな逸見さんは生前、家族と共に暮らす一軒家を建てていた。本人がここで過ごしたのは1年にも満たなかったが、残された家族がこの家で紡いだ思い出は数知れない。息子でバラエティー番組の司会や俳優として活躍する逸見太郎(42才)が、いかに母・晴恵さん(享年61)と家族でこの家を守り抜いたかを語った。

 * * *
 1992年10月に父は東京・世田谷に新居を建てました。そこは母が生まれ育った場所。母にたくさん苦労をかけたことの罪滅ぼしの意味があったのかもしれません。

 人が集まれるようにリビング、ダイニング、ミーティングルームが一体となった広いスペースを作り、ガーデンパーティーをしたいと庭にもこだわった。あとは父が好きだったオーディオルームと書斎…。140坪に7LDKという間取りでした。

 でも、新居が完成してわずか3か月後に、父の胃がんが発覚し、翌年の12月に逝ってしまった。さて、新居をどうするか。大変でしたね。ローンもありますし、固定資産税もかかりますから。(編集部注・当時政孝さんの新居は総工費12億円ともいわれ、政孝さんの死後、晴恵さんは借金5億円を背負ったと報じられた)

「家は売ったほうがいいんじゃないか」

 家族会議をしてぼくも妹もそう言いました。でも、母は「そんな勝手なことを言うのなら、この家を出ていってちょうだい!」と頑として反対しました。カーテンや家具や家の中のものは父と2人で選んだものだし、愛する人との思い出が詰まっているこの家をなくしたくなかったのでしょう。父の成功の証でもある家を女のプライドにかけて守るという、ある種の凄みを感じました。

 父が亡くなってからの母は、エッセイストとして原稿を書いて本を出版し、講演活動で全国を回って。年間100本の講演をこなした年もありました。

「晴恵さんはあの家に殺されたのよ」

 はっきりと言葉にする母の親しい友人もいました。家のローンを払うために、かなり無理をしていましたから。夜中に、真剣な顔をして通帳を見入っていた母の姿が印象に残っています。

 つらかったと思います。でも、ぼくや周りの人たちには弱いところを全然見せませんでした。友達を家に呼び手料理を振る舞い、お酒を飲んで。亭主関白の父がいたら、できなかったことを楽しんでいるかのような面もありました。

聞き手・文/根岸康雄

※女性セブン2015年1月29日号

関連記事

トピックス

全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト