国内

石原慎太郎氏 エゴにあふれる橋下徹氏を評価も危うさも指摘

 昨年の総選挙後、石原慎太郎氏が政界引退を表明した。引退会見では「死ぬまで言いたいことを言って、人から憎まれて死にたい」と語った石原氏だが、彼の目には、かつて共同代表を務めた橋下徹・大阪市長はどのように映っているのだろうか。石原氏はこう語る。

 * * *
 組織を動かすリーダーにとってエゴは必要不可欠なものです。私は若くして世に出たので多くの優秀な経営者に出会う機会があったが、松下幸之助や本田宗一郎、盛田昭夫といった人物はいずれも個性が強く、創意があった。

 高校の時に親父を亡くした後、「君ら兄弟の親代わりになってやる」と言ってくれた水野成夫さん(フジテレビ初代社長)の事務所には、桜田武(元日清紡績社長・日経連会長)とか今里広記(元経団連常任理事)といった錚々たる人たちが集まって来て、世界情勢や国家を語っていた。話のスケールがとにかく大きかった。

 今の経団連幹部なんかとはまるで比較にならない。口を開けば「我が社、我が業界」で、思いを馳せる対象が小さい。それでは独創的な発想も出てこない。だからこそエゴに溢れる若いリーダーが求められているんです。

 政治の世界でいえば橋下徹君(大阪市長)は個性的だし、演説もうまい。若い頃のヒットラーにそっくりだ。彼はそう言うと嫌がるんだけど(笑い)。ただ、その橋下君にしても危ういところがある。それは「多数決ですべて決める」という考え方だ。

 日本維新の会で一緒にやっていた時のことだが、小さな政治イシューまで両院議員総会にかけて多数決で決めようとしていた。そんなバカな話はない。部下の意見を問うのは結構だけど、多数決がすべてになれば、それは単なるポピュリズムだ。強いリーダーのやることではない。責任ある立場にある者には、重要な局面でエゴの力が求められる。

 東京都知事になったばかりの頃、イギリス大使館から招待を受け、晩餐会で日本を訪れていたマーガレット・サッチャー元首相の隣に座ったことがあった。その時、彼女は「政治家は時に、周りの誰がなんと言おうと自分一人で大きな決断をしなくてはならない場面がある」と語っていた。

 そこで彼女に1982年のフォークランド戦争について聞くと、周囲で開戦を支持したのは参謀総長だけだったという。しかし彼女には、イギリスの威信を取り戻すためにわずかな領土であっても絶対に手放してはいけないという信念、確信があった。そして自分一人の責任で決断し、結果を残した。

※週刊ポスト2015年1月30日号

トピックス

法定スピード以上の速度で突っ込んだ(時事通信)
《独自》内閣府公用車の9人死傷暴走事故 委託先は2年前にも永田町で公用車ひき逃げ死亡事故 運営会社と内閣府が「間違いございません」と事実関係を認める
NEWSポストセブン
「日本学術振興会賞」と「日本学士院学術奨励賞」の授賞式に出席された秋篠宮ご夫妻(2026年2月3日、撮影/JMPA)
《上品な艶がドレッシー》紀子さまの授賞式ファッション ライトブルーのセットアップで親しみやすさを演出、同系色のブローチも
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《司忍組長、84歳の誕生日会に密着》胡蝶蘭、鯛、枡酒にコンパニオンが大挙 警察、メディアが関心を寄せる「山口組重要文書」の存在
NEWSポストセブン
晩餐会での“少女漫画のようなエスコート”動画が話題に(提供:soya0801_mlb)
《独占入手》妻・真美子さんの手を優しく取って…大谷翔平、晩餐会での“少女漫画のようなエスコート”動画が話題に ファンに伝えた「ありがとう」
NEWSポストセブン
目撃者が語った“凄惨な事故現場”とは(左/時事通信フォト、右/共同通信)
「『死んじゃうよー』公用車の運転手がうめき声を…」「官僚2人は後ろでグッタリ」公用車が130キロで死傷事故、目撃者が語った“凄惨な事故現場”【高市首相、腹心の官僚】
NEWSポストセブン
若い女性たちとエプスタイン(民主党資料より)
「ひとりで楽しみ、体に触り、無理やり行為に及んだ」10代の少女らが性的搾取された“エプスタイン事件” 米司法省が新たに公開、画像や動画…300万枚の資料が示す“被害の詳細”
NEWSポストセブン
CanCam卒の注目女優宮本茉由
《CanCamモデルを卒業》不倫ドラマ主演でも話題・宮本茉由、長野県・北アルプスの麓で見せた「止まらない色気」
週刊ポスト
ラオジーのブログより(現在は削除済み)
《昨夜の子は何歳だったんだ…との投稿も》「ラオスの帝王ラオジー」ブログの不正開設の疑いで61歳の男が逮捕 専門家が明かしたラオス児童買春のいま
NEWSポストセブン
司法省がアンドリュー元王子の写真を公開した(写真/Getty Images)
《白シャツ女性に覆いかぶさるように…》エプスタイン・ファイルで新公開されたアンドリュー元王子とみられる人物の“近すぎる距離感の写真” 女性の体を触るカットも
NEWSポストセブン
全米野球記者協会ニューヨーク支部主催のアワードディナーに出席した大谷翔平と、妻・真美子さん(左/時事通信フォト、右/提供:soya0801_mlb)
《真美子さんが座る椅子の背もたれに腕を回し…》大谷翔平が信頼して妻を託す“日系通訳”の素性 “VIPルーム観戦にも同席”“距離が近い”
NEWSポストセブン
なぜ実の姉を自宅で監禁できたのか──
《“お前の足を切って渡すから足を出せ”50代姉を監禁・暴行》「インターホンを押しても出ない」「高級外車が2台」市川陽崇・奈美容疑者夫妻 “恐怖の二世帯住宅”への近隣証言
NEWSポストセブン
国際ジャーナリスト・落合信彦氏
国際ジャーナリスト・落合信彦氏が予見していた「アメリカが世界の警察官をやめる」「プーチン大統領暴走」の時代 世界の“悪夢”をここまで見通していた
NEWSポストセブン