そうしたプ女子ブーム仕掛け役の中心にいるのが新日本プロレス(新日)である。アントニオ猪木が立ち上げ、プロレス黄金期を支えた老舗団体。長く低迷期が続いたが、親会社が変わり、スター選手を起用した電車広告など広報戦略を変えることで、近年では東京ドームを満杯にするほど人気を再燃させた。プロレス団体関係者はこう話す。
「棚橋や中邑らイケメンレスラーのメディアへの露出が増え、女性たちにもイケメンレスラーがいる、という意識が浸透した。ここ数年、韓流スターに飽きた層を取り込めたのではないかと思います」
また、新日が作った女性ファン専用のコミュニティプロジェクト「もえプロ女子部」などの仕掛けも成功、女性向けのプロレス本や選手の写真集は即重版のかかる売れ行きだという。
「もえプロ」の顧問を務めるフリーアナウンサーの清野茂樹氏はいう。
「昔は強面や覆面のレスラーが血まみれで戦ううえに、プライベートは見せないので、ファンにとって身近な存在にならなかった。最近はファンとの交流イベントなどを通じて等身大の男性として女性に受け入れられるようになりました」
2月に開催される「もえプロ」のイベント、人気レスラーの真壁刀義とスイーツを食べる会の募集は即日完売。
「今のレスラーたちはマッチョで強いのに、リングを降りると優しく、握手やサインも一生懸命。強い男に優しくされたいという女性の願望を満たしてくれるのが、プロレスラーが愛されている理由だと思います」(前出・プロレス団体関係者)
※週刊ポスト2015年2月13日号