前出の金融ジャーナリストは、
「結局、信託銀行は信託手数料や遺言書の保管料を徴収するだけの“オイシイ商売”。しかも、富裕層の財産をすべて把握できるので、たとえ執行が無効になっても、別の金融商品やサービスも売りやすくなる」と指摘する。
2030年までに相続資産額が少なくとも1000兆円になるとの試算もある中、今後も「隠れた相続財産」を巡るビジネスは加熱するだろう。しかし、北村弁護士は次のように警鐘を鳴らす。
「相続分野はいろんな法律が絡んでくる問題なので、遺言信託もきちんと交通整理をしたうえで吟味する必要があります。今後はわれわれのような弁護士に“セカンドオピニオン”的に相談することもお勧めします」