スポーツ

プロ野球カード 与那嶺、稲尾、別当ら「監督カード」に高値

 全国のコレクターが足繁く通うプロ野球カードの「聖地」が大阪・寝屋川市にある。古物商「キンキーズ」だ。雑居ビル2階にある店内には野球カードがズラリと並び、その中にはお宝カードも存在。1978年の長嶋茂雄監督の横顔カードは、約10万円で取引されるという。

 実は長嶋氏以外の「監督カード」もコレクターの間で価値が高い。

「長嶋監督、南海の野村克也選手兼任監督、赤ヘル旋風時代の古葉竹識監督のカードは多いが、それ以外の監督のカードは流通量が少ない。1973年の別当薫(広島)、稲尾和久(太平洋)、与那嶺要(中日)の3監督はいずれも8万~10万円の値が付いています」(オーナーの田中康隆氏)

 同一の写真を使用していても印刷所が異なるカードもコレクター心をくすぐる。紙質やインクの色合いに差があるからだという。例えば中部地方で印刷された「名古屋版」の1973年の星野仙一投手(中日)のカードは売値5万円。同じ写真のカードでも関東で画一的に印刷された「全国版」だと500円ほどになる。

「“ハイナンバー”といわれるカードナンバーの大きい名古屋版のカードは高値で取引されます。活躍期間が限られて製作枚数が1種類のみの関東孝雄(中日)のカードも5万円とレア度が高い」(前出・伊藤氏)

 田中氏はこう話す。

「こだわり始めれば終わりのない世界です。お店に来るお客さんのほとんどは、懐かしさにほんの1~2枚買っていく。かつて大ファンだった選手に巡り合える喜びはプロ野球カードならではです。袋をドキドキしながら開けたり、友達同士で交換しあったりした少年の頃にタイムスリップできるのも大きな魅力ですよ」

※週刊ポスト2015年3月6日号

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