最初に考案したオリジナル商品が「メダルハンガー」である。マラソン大会の完走記念メダルを吊るして飾るものだ。マラソン仲間から聞いていた「メダルがタンスの肥やしになっている」という声をヒントに考えついた。
「紐をかけて飾るデザインにしました。ヒノキの廃材を使い、高知県の工場に製造を委託しています。商品開発の経験から、仕様書の作成や製造先の確保は慣れた手順なので、製作自体は問題なくやれています。課題は営業力ですね。現在はネット販売や会社員時代の人脈を活かして雑貨店などで店舗販売していますが、目標の売上額には達していません」(服部氏)
会社の売り上げは設立1年で100万円ほど。
「赤字の月が多いので、今のところ自分への給料はありません。ただ今年から自分に給料を出せるであろう見通しが立ちつつあります」(服部氏)
焦りはないという。
「定年退職してから家にいるばかりで何もせず、年金だけに頼る生活では、貯蓄を減らす一方で生活を楽しむゆとりがなくなる。今は儲けゼロですが“老後にお金を稼ぐ準備をしている”と考えています。将来的には現役時代の7~8割くらいの収入を確保できるようにしたい」(服部氏)
※週刊ポスト2015年3月20日号