ビジネス

販売再開のペヤング 新パッケージに変更するが味は変えない

 2014年12月の「ゴキブリ混入事件」から約5か月。まるか食品(群馬県伊勢崎市)が製造する即席麺「ペヤングソースやきそば」が6月上旬に販売再開される。同社の広報担当者は再開に向け、こう語る。
 
「どのような経緯で異物が混入したか特定できていませんが、二度と同様の問題を起こさぬよう、ゼロからのスタートと位置づけて徹底して見直しました。
 
 工場内に隙間があったので、虫の侵入を防ぐために隙間をふさぐ工事を実施し、床や壁も全部張り替えました。汚れやゴミがたまらないよう床には凸凹をなくし、虫が入りにくいようカーテンやシャッターも増設しています」
 
 また、1975年の発売以来、40年間守り続けてきたパッケージも変更するという。
 
「『これまで培ったイメージが壊れてしまう』と社内でもパッケージ変更には異論が多かった。しかし、工場内で虫が混入したことが否定できない以上、徹底的に改善すべきだと判断しました。
 
 具体的には、密閉性を高めるために容器をプラスチックから発泡スチロールに変更し、シール状の蓋で密閉する、他社の製品のような形を採用します。湯切り部もシールを剥がす方式にします」(同前)
 
 安全のために講じられた新パッケージだが、ファンからは残念がる声もある。フードファイターのアンジェラ佐藤は“思い出”をこう話す。
 
「ペヤングの湯切りのときに蓋が外れて、麺をシンクに流してしまったことがあるんです。結局、ザルを使って洗って食べました」
 
 そんな湯切り失敗が「ペヤングあるある」としてファンの中では語りぐさになっている。しかし、パッケージが他社と同様にシール状の蓋で覆われることで「指で蓋の端を押さえながら、でもやけどしないように……」というあの独特のハラハラ感(?)がなくなるのはどこか寂しい、というわけだ。
 
 パッケージ変更のため、オーダーメードの生産ラインも全面的に入れ替える必要があった。新ラインには、麺に異物が付着していないかを裏表の両面からチェックできるカメラを設置するなど、監視体制も強化。これまで従業員が目視だけで確認していた方法を改めるという。
 
 設備の入れ替えには時間もコストもかかる。
 
「そのため、5月から生産が再開できるのは本社工場の1ラインのみ。ひとまずはそれで24時間体制、1日25万食程度の生産を目指す予定です」(まるか食品広報担当者)
 
 ラインが変わることでパッケージだけでなく「味が変わってしまうのではないか心配だ」といった声も多いが、まるか食品に確認すると、「味は変えない」とのことだった。

※週刊ポスト2015年4月24日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さんが今も築地本願寺を訪れる理由とは…?(事務所提供)
《笑福亭笑瓶さんの月命日に今も必ず墓参り》俳優・山口良一(70)が2年半、毎月22日に築地本願寺で眠る亡き親友に手を合わせる理由
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月20日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン